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創作サークルのロゴを作ってみた

◆発端

自分(節兌見一)が団長を務める創作サークル『オーングロリアム治安維持騎士団』のBOOTHを開店した。
これから自分が作ることになる小説やゲームブック同人誌を電子書籍化してアーカイブし、あわよくば収入につなげようと思ってのことだ。

それにあたり、自身のSNSアイコンとは別個で創作サークル『オーングロリアム治安維持騎士団』としてのロゴが欲しくなった。
なので、自分で作ってみようと思う。

なお、節兌見一はデザイン初心者である。
とりあえずインターネットで調べて出てきたロゴ作成手順を参考にする。

STEP1: 使う人間を尊重するか、見る人を尊重するか?

今回作るロゴは商品に使うわけじゃない。
サークルのマークであり、その思想に他者が介在する余地はない。
むしろ、100%自分の意見でつくらなければならない

STEP2:使用するシーン

同人誌などの背表紙に刻印
BOOTHのアイコンにする
名詞にも印刷する

STEP3: どんな印象になってほしいか、なってほしくないか

質実剛健な格好良さ
現代でちゃんとやっていこうとしている企業のイメージ
実在する警備会社や軍隊のような、社会的信用をある程度担おうとするロゴが良い。
が、それはそれとしてフィクションなので社会よりもカッコよさを追及したい。アーマードコアの企業ロゴが良い落としどころ。
一方で、『騎士団』の名を冠しているからと古色蒼然なものを作っているとは思われたくない。
剣と魔法とか鎧とか、中世的な感じは避けたい
同様の理由でクラシックな紋章系も避ける。

STEP4: 好きなロゴ、嫌いなロゴを集める

というワケで、好きなロゴをインターネットから集めてきた。

(好きなロゴっていうか、好きなもののロゴじゃん……)

嫌いなロゴも世の中を探せばあるにはあるだろうが、ここで出すとあまりに角が立つのでナシ。
ただ、上にも書いたように「騎士団」というイメージにとらわれた中世的なデザインや、ミリタリー色が強すぎるものは×

どうやら自分は、
・白と黒を基調としている(差し色はなし、もしくは一色)
・アルファベット、特に大文字
・単純な幾何学図形を用いている

などの要素が好きなようだ。

STEP5:モチーフを決める

とりあえず「Ornglorium Knights of the Peace」という騎士団の英名は用いたい。物々しい固有名詞と企業ロゴをマッチさせるところに、フィクションとしての面白さ、今回のロゴの良さがあるような気がする。
強いて言うならば「企業らしさ」。
また、扱う作品のモチーフは「土地」と「冒険」であるから、それに関連した事柄や、抽象的な概念を絡ませるのもいいだろう。
地図とか靴とか地球儀とか街の遠景とか。

STEP6:色の使い方を決める

上にも書いたように、白黒+0~1色を差し色にして考える。
よほど使いたい色がある場合や必要性がない限りは、普通に白黒でいいかなと思っている。

STEP7:籠めるアイデアやストーリーを考える

オーングロリアム治安維持騎士団が扱う題材は「土地」と「冒険」だ。
その二つが組み合わさっていれば、舞台がファンタジー異世界だろうと現代だろうと未来宇宙だろうと、書きたいものが書ける。
言ってみれば、ワクワク感みたいなものが書ければそれでいい。
なので、時代性を超えたその感情をロゴでも表現したい。
例えば日の出とか、出航する船とか、開きかけている門とか。
そういう、時代を超えた普遍性と始まり、可能性の広がりを感じさせるものがモチーフに相応しい。
うーん……日の出かなぁ?

STEP8:手書きで色々やってみる

省略!(最初からソフトで色々試したため)

STEP9:ソフトで描いてみる

とりあえず、入れることを最初から決めていた「Ornglorium Knights of the Peace」の文字列をあれこれいじる。
ソフトは無料のMedibang Paint。
ちゃんとしたデータを作る時にはデザイン用のソフトを使うなり人に依頼するなりすればよいだろう。

いい感じ。下側の小文字の間隔がやや気になる

さらに、ここに日の出のイメージを足してみたいと思い地面を足してみる

宇宙から見た地平的なもの。水平な線も試したがやや退屈だった

あとは、ここに星の向こう側から昇って来る太陽を描きたい。
が、これがなかなか難しい。

イメージ的にはこうだけど、なんかびみょー

ここで、いったん考えが詰まった。
太陽がただの円ではつまらない。
とは言え絵心がないから幾何学的でない模様は使いたくないし、かと言って「日の出」よりも良いモチーフも思い浮かばない。
うーん……

あれこれ考えながらもう一度集めてきた「好きなロゴ」たちを眺めていたら、ふと思いついた。
「そうだ! 太陽の昇っていく軌道を線で表現しよう!」

だいぶよくない?

冷静に考えれば地球の周りを太陽が周回するトンデモ天動説世界になっているが、ロゴの見栄えと比べたら些細な問題だし、そもそもファンタジーをやるならそれぐらいおかしい方が面白い。

後は下の部分が長くて不格好なので調整し……

いいかんじ

改良の余地はありそうだが、大筋はこれで良さそうだ。

STEP10:プリントして眺める


gの下部分がなぜか表示されていないことに気付く

想像以上にフロムソフトウェア作品に引っ張られてるな……と思いつつも、そもそもフロムゲーがなかったらこのサークルは生まれていなかったので、まあよい。

STEP11:修正する

STEP3で制定したコンセプトと合致しているかを確認する。
まず、シンプルさのおかげで企業感は出ているように思う。
古臭さもない。
フォントのボヤっとした印象がファンタジーの可能性を醸し出している。
ただ、日の出というよりは衛星の運行みたいな図になってしまったのが少し気になるが、これはこれでカッコいいのでまあいいか。
また、太陽と軌道の色が赤々とし過ぎていて怖いので少し彩度を落とす。
あと周回軌道が球の重心からずれているように見えるので、少しズラす。

変わったような、変わってないような

STEP12:時間を置く

こういうのは、作っている最中に色々盛りたくなるものらしい。
だから時間を置いて違和感がどうなっているのかを確かめるといいらしい。
試してみたが、まあ今のままでいいんじゃないだろうか

STEP13:人に見せてみる

こういうのを人に聞く時は「このロゴをどう思う?」と聞くよりも、単純に好きか嫌いかを聞くと良いらしい。
たしかに、小説とかでもそうだなと思う。

で、試しに何人かに聞いてみて「もう一味欲しい」と言われるも、シンプルさを優先して踏みとどまる。

STEP14:完成

ひとまず完成ということにする。
元のサイトではこの後で商標の色々をやっているが、まあ同人サークルだしそこまではしなくてもよいだろう。


ひとまず完成品。

総括

専門でやってる人からしたらツッコミどころはたくさんあるだろう。
フォント周りなどは詰めようと思えば無限にやりようがありそうだ。
だが、ひとまずはこれで十分満足している。
思ったよりも趣味全開かつ、納得できるものができた。

にしても、自分で自分のマークを作るというのはワクワクするものだ。
十年ぐらい前に初めてSNSアイコンを作った時と同じか、それ以上の感情を体験することができた。

やってみればできるもんだ。
この調子で作り慣れてない物にも手を出せたら嬉しい。
名刺とか。

追記

現在のロゴはこんな感じ(2024/11/18現在)

太陽の軌跡(?)を見やすくし、余白を黄金比に整えた

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