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【世界史おさらい】どうしてギリシャのことを勉強していた私の人生がトルコの人達との関係豊かなものになったのか?
本日、面白いことがありました。
以前もオハナシした、仲良くしているトルコ人の方が、
私が世界各国の怖い話や不思議な話、ホラー小説などをコレクションしていると知って、
「そんなら、トルコの本屋で売っている、トルコ語のその他のテーマの本を、何冊か見繕って送ってあげるよ」との旨。
おおー!!
ありがたいことです。なんとなんと、日本ではおそらく珍しい筈と思われる、「アナトリア半島(トルコ)の怖い話や妖怪図鑑」が手に入るかもしれませんぞ!
手に入ったら、その内容はきっと、決死の翻訳努力の上でSNSでも発信していく所存です。
オバケバナシ好きな方々、ご期待を!
ところで・・・
私のアイデンティティは「世界各国の言語を勉強している語学マニアにして、特に古代ギリシャ語への興味が強い人」というところでございました。
そんな私が、どうして、こんなにもトルコの人たちと縁の多い人生を送ることになっているのか?
世界史をおさらいすると、その種明かしになります!ので、少し、その話をしましょう。
世界地図を思い浮かべてみてください。
半島国家のギリシャ共和国があり、海を挟んで、東側にトルコ共和国があります。
トルコ共和国が陣取っているのが、「アナトリア半島」と呼ばれる土地です。
実は・・・
日本でも、プラトンとかソクラテスとか、ヘロドトスとかペリクレスとかで有名な「偉大なる古代ギリシャ文明」云々というのは、
地域としては、現代のギリシャ共和国だけでなく、現代でいうトルコ共和国の所領、特にアナトリア半島が含まれていたのです。実際、古代ギリシャ時代の有名な哲学者や詩人にも、アナトリア半島出身の人が多々含まれています。
そのギリシャ文明がローマ帝国に征服された後も、アナトリア半島は事実上のギリシャ文明の後継帝国、ビザンチン帝国の領土として中世を生き延びました。
そのビザンチン帝国を15世紀に滅亡させてアナトリア半島を奪ったのが(一時期は現代でいうバルカン半島一帯まで奪ったのが)トルコの前身、オスマン帝国でした。
という次第ですので・・・
「見方にも依りますが」という但し書き付きながら、「世界史全体で見れば、アナトリア半島はトルコ文化よりも、ギリシャ文化の影響下にいた期間がずっと長かった」ことになる。
それゆえ、ギリシャの歴史を知ろうとすると・・・まして民間伝承や信仰や伝説といった、精神世界の話を時間軸で遡って行こうとすると、現代はトルコ領になっているアナトリア半島の文化風俗の歴史をスコープに入れないと、どこかで躓いてしまう。
そして、アナトリア半島の文化や生活世界を現代において担っているのは(そしてたくさんの遺跡や文献を管理しているのは)トルコということになる。
ギリシャのことを深く知ろうとすればするほど、トルコの人に会う機会が多くなり、かつ、トルコ語もある程度、わかっているほうが便利だと気づく。
すると今度は、トルコの人というのが伝統的に親日な方が多いので、「ギリシャのことを調べている日本人です」みたいなプロフォールでインターネット上で活動していると、トルコの人が連絡をしてきてくれることがある。
こんなふうにして、私の場合は、ギリシャを調べている身ながら、トルコの人との縁がとても豊かになった、という次第なのでした。
不思議な縁といえば、実に、不思議な縁。
ただし・・・一点だけ、気にしていることもあります。
このような世界史の背景を持っているので、ギリシャとトルコは、歴史的な因縁というものを持っております。外国人である私たちがそんなに気にしすぎてもいけないのですが、いちおう、「トルコの人の前でギリシャの人の話をする」あるいは逆に、「ギリシャの人の前でトルコの人の話をする」と、たまーに、イヤな顔をされる場合もある、ということは申し添えておきましょう(最近の若い人は気にしてないっぽいですが、それぞれの国の保守的な人に会うと、いささか、そういう傾向がね・・・)。
参考文献
私は「読書案内人」を目指す人なので、今回のこの記事の話題について更に知りたい方の為の、参考文献を提示いたしましょう!
まずは、中村聡一さんの以下の本。
↑何度もくり返し紹介させていただいておりますが、とてもわかりやすい上に、古代ギリシャのことを教養として知っておくことがいかに現代を生き抜くためにも役立つかを力強く訴えています。オススメです!
他に、いわゆるビザンチン帝国について詳しく知りたい方は、以下が圧巻!
もうひとつ、そのビザンチン帝国の最期の日をドラマチックに描いた小説として、以下をオススメします!