【読書録】『LIFE SHIFT - 100年時代の人生戦略』リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット
今日ご紹介する本は、「人生100年時代」という言葉のルーツとなった世界的な大ベストセラー、『LIFE SHIF - 100年時代の人生戦略』(原題は『The 100-Year Life: Living and Working in an Age of Longevity』)。
ロンドン・ビジネス・スクールの経営学教授であるリンダ・グラットン(Lynda Gratton)氏と、同校の経済学教授であるアンドリュー・スコット(Andrew Scott)氏の共著である。
人生は、誰でも100年生きる時代に突入した。そんななか、私たちはどのような生き方の変革を迫られるのか。すべての人の人生設計を根底から覆しかねない、なんとも衝撃的なテーマを扱った本だ。この本が世に出てからというもの、「人生100年時代」という言葉を、誰もが日常的に使うようになった。
以下、私にとって特に印象深かった箇所を書き留めておく。
まず、人生100年時代の苦難について、問題提起がなされている部分(p20-21)。
次に、無形の資産の重要性を論じた「見えない『資産』」(第4章、p119~)。
さらに、選択肢の多様化について触れる「新しいステージ」(第6章、p219~)。20世紀の「教育→仕事→引退」の「3ステージ」の生き方では立ち行かなくなるため、次の3つのスタイルで、多様なマルチステージの人生を生きることができる、と論じる。
さらに、新しい時間の使い方について(第8章、p291~)。
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新鮮な発想や概念ばかりで、時間を忘れて読みふけった。
これからは、多くの人が、祖父母の世代や親の世代よりも、ずっと長い人生を生きることになる。それは、ほぼ確実なようだ。
それなのに、従前の「3ステージの人生」という常識に従って漫然と生きていると、上記の「オンディーヌの呪い」のような、ただ長くてつらいだけの人生を送ることになるかもしれない。
そうならないために、と、本書は、無形資産を築くための「リ・クリエーション」や、新しいステージへの移行などを検討すべきだ、と説く。それらは、とても説得的だ。
だが、一生学び続け、スキルを磨き続けなければならないというのは、結構大変そうだ。そう考えると、暗澹たる気分になる。
でも、光も見えている。本書を読めば、私たちを待ち受けている未来の輪郭が見えてくる。新しい世界が分かれば、新しい世界でどうやったら幸せに生きられるかを、考えることもできる。本書は、そのために様々なヒントを与えてくれる。
これらを参考にして、柔軟に考えて、自分なりのアクションを起こしていけば、年齢を重ねてもなお素敵な冒険を続けられる、という希望が持てた。
アラフィフの私だが、これからも、さらにアクセルを踏み(でも時にはブレーキもかけつつ)、人生の後半戦を充実させていきたい。
みなさんも、楽しい100年人生を送られますように!
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