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【ショートエッセイ】テセウスの体

「テセウスの船」ってパラドックス(逆理、矛盾した説)はご存知でしょうか。

テセウスのパラドックスとも呼ばれる。ある物体において、それを構成するパーツが全て置き換えられたとき、過去のそれと現在のそれは「同じそれ」だと言えるのか否か、という問題(同一性の問題)をさす。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/テセウスの船

「オリジナルのテセウスさんの船があり、船のパーツを全部新しいものに交換したら、果たしてそれはオリジナルのテセウスさんの船と、同じと言えるのか?」ということ。

なんだかSFで言うところの、「人工の機械の体に、生身の人間の脳を移植・搭載したら、それは元と同じ人間か?」と似ている気がするパラドックスです。
『攻殻機動隊』シリーズっぽい。

人体も、7年で全細胞が入れ替わるらしいんですよね。
そのことを知ったときに、「テセウスの船の人体バージョンじゃん」って思いました。

7年前の私は、今の私とは、細胞の観点では別人。
記憶は継続しているから、記憶の観点では同じ人間。

今の自分の体は、ここ7年間に飲食した物、触れた物で形作られている。

人間を人間たらしめているのって、何なんでしょうね。
SF的な禅問答みたいだ。
思ったより不確かかもしれません。

さらに「今の暮らしぶりが、将来の自分に重大な影響がある」と思ったことがあるので、書いておきます。

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