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おたくさの旅 1

 梅雨☂️がもう一歩に来ています。
 離島のメロン🍈を佳い女子に届けたくて。
 また叔母やらお世話になった方々にも、それぞれにメロンを届けたくて。バイク🏍️に満載してフェリーで乗り出しました。

 おたくさ。
 紫陽花の学名で、阿蘭陀医師シーボルトが、長崎で恋仲となったお滝さんという女性の名前から、そう名付けました。この話を掘り下げていくと、また幕末恋愛小説に発展しそうなので、ここで留めておきます。
 

季節のフルーツのタルト🥧

 ちょっと鼻にかかった発音でママンが尋ねます。
「今日ハあの娘、どうしたのよ。一緒じゃなかったの」
 フランス🇫🇷人特有の鼻母音がスパイスになってます。
 彼女を幾らかは支えてはあげれたけど、デートは不発でした。
「彼女、ちょっと訳ありで。でも私は真剣に考えてますよ。でも追い詰めたくない。年甲斐もなく重い女みたいに、私がちょっと答えを急がせてしまって。それで時間を置いている所です」
 ママンはパティシエなのでいつもタルトを出してくれて、店の一角で話し込むのが定番です。
 そうして過ごしていると、怪しげだった曇天は一気に梅雨空に一変しました。

ママンのサンドウィッチ🥪

 生憎の本降りになりレインウェアを着込んで、日見峠を越えてホテルに駆け込みました。長崎という街の変貌ぶりに驚くばかり。
 今回のツーリングでは。
 離島では入手困難なモノをかき集めています。
 今夏に連載するであろうキャンプ旅、その調理器具のあれこれ。
「これハね、メロンを頂いたお礼だから」とサンドウィッチとクロワッサンをママンが持たせてくれました。
 
 ランチがかなり重かったので、夜食代わりにしようかと。
 それで入手したばかりの器具に盛り付けてみたら、実にサマになってる。美味しいのは知っているけど。
 器という背景は大事だなあと旅先で考えている夜です。
 窓から雨音が絶えません。
 紫陽花も見頃でしょうね。
 

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