最近読んだ小説3冊『眠りの森』『魔王』『片耳うさぎ』
先日書いたnote記事のとおり、最近は毎日小説本を読んでいます。
小説っていうのはいいですね。「没頭」という感覚を久々に味わっています。
動画を見たり音声を聞いたりするのも嫌いじゃないんですが、どちらも10分くらいで飽きてしまいます。
文章が一番頭に入ってくるので、これは一生このままかなという気がします。
最近読んだ3冊はこちら。
『眠りの森』(東野圭吾)
『魔王』(伊坂幸太郎)
『片耳うさぎ』(大崎梢)
以下はネタバレありの読書感想文とも呼べぬ感想メモです。
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『眠りの森』(東野圭吾 1989年)
よく考えたら、これは学生時代に読んだことがあった。ラストの記憶がある。
とはいえ、中身は全く覚えていなかったので、楽しく読めた。
加賀恭一郎は紳士的だが、若々しさを感じて新鮮だ。実際、この話ではまだ若い。
私は役者として一度だけ商業芝居に出たことがあるが、 一般的なサラリーパーソンとして過ごしてきた私の常識とはかけ離れた世界に驚いた記憶がある。
この小説はバレエ世界の話だが、 芝居経験を経た今なら、プロのバレエダンサーたちのストイックさと生活の厳しさが噛み締めるように理解できた。
大人になってさまざまな経験を経て、同じ小説を読んでも感想がまったく変わる。
そういうことってあるんですね。
『魔王』(伊坂幸太郎 2005年)
これも学生時代に読んだことがあった。
お金を稼ぎ続ける弟の描写を見た記憶がある。
でもあいかわらず覚えているのはラストだけで、中身は覚えていなかった。
伊坂幸太郎の小説は、この透明な清水みたいな淡々とした文体が特徴なのかな、と思った。
物語のなかで大事件は起きているのだが、東野圭吾や池井戸潤の文体のような熱さと激しさは感じない。
この物語の続きがあるらしいが、そちらは読んだことがないので、今度読んでみようと思う。
『片耳うさぎ』(大崎梢 2007年)
母親からすすめられて読んだ本。
主人公が小学生の女の子なので、 児童文学を読んでいるかのような軽やかな読み口。
物語は、由緒ある家の大屋敷を舞台にした、ミステリーといえばミステリー。
少女の目線から見た冒険の話で、頭のなかで歴史ある日本の屋敷を想像しながら、楽しく読めた。
オチは割とサラッとしている印象。
うさぎは一般的に可愛い動物の代表格みたいなものなのに、この物語では「不気味で忌むべきもの」とされているのが斬新でよかった。
こういう、昔の日本と現代を結びつけるような物語って個人的に結構好きかも。