殺人崎 抉斗

殺人崎 抉斗

最近の記事

2024年11月8日 雑記「なんでも統計を見ればよいというわけではない」

 「なんかそういうデータあるんですか?」が"必殺技"扱いされるこの時代、調べればだいたいの統計は見つかるし、何かを主張するとすぐに統計を求められるようになった。主張にはその根拠が必要であるというのは真だが、多くの人には「主張」と「統計」という単純な対応関係しか見えていないような印象を受ける(この"印象"にも統計を求められてしまいそうだが……)。  統計を主張に結び付けるには、必ず「解釈」が必要となる。単なる数値の羅列が、本当にその主張を補強するような意味を帯び得るものなのか

    • 2024年11月4日 雑記「現金もクレカも忘れた」

       目的地へ向かう途中、もう引き返せないところまで来てしまったときに現金もクレジットカードも忘れたことに気づいた。銀行のキャッシュカードもない。よっぽどのことがない限りは「楽天Pay」「QUICPay」「交通系電子マネー」「PayPay」が使えるスマホを持っていれば困ることはないのだが、今日は不運にもQRコード決済と電子マネーが使えないような場所ばかりに用事があった。  残された10分ほどの時間で頭をフル回転させて考えた。忘れたのなら予定をずらして取りに帰るべきだろう。10年

      • 2024年10月28日 雑記「美術部とサブカル先輩」

         人生で初めて出会った「サブカルの人」は、高校の先輩だった。「サブカルの人」というと曖昧でなにを指しているのかわかりづらいが、とにかくサブカルっぽい雰囲気を漂わせている、軽音部あたりにいそうな人のことだ。(もっと勢いのあった頃の)ヴィレッジ・ヴァンガードに通っていそうで、マイナーなバンドを好んでいそうで、実際にそうだったのかは確かめていないが、おそらくそうだろうなと一目でわかる人のことだ。  僕が高校生だった十数年前、ちょうど一年生が終わりかける時期に東日本大震災が起こったあ

        • 2024年9月29日 雑記「『VTuber学』を読んだ感想」

           6年半という比較的長い間活動しているVTuber当事者として、『VTuber学』は読んでおかなければならないと思っていた。かなりの分量があるため購入から1ヶ月が経ってしまったが、なんとか読み切ることができたので、感想を残しておく。  「〇〇学」を名乗るだけあり、全体的に丁寧な手つきで「VTuber」について論じている。今後も『VTuber学2』『VTuber学3』が出版されるのが待ち遠しい。  第三者目線での記述だけでなく、フィールドワークとしてのVTuber活動を通して

          2024年6月9日 メモ「人の財布2」

           ネタバレが含まれるのでこれからプレイしようとしている人は注意!  前回、「人の財布」の初回考察で重要なものを見逃していたので再プレイ。Webサイトで拾える要素を大量回収でき、かなりの進展があった。  前回の配信で財布の持ち主のブログを読んだ際、「続きを読む」をクリックしないというミスにより記事本文の最初の2行しか読めていなかった。今日の昼にこのミスに気づき、急遽2回目の配信を行なった。ブログから新たにわかった事実は以下の4つ。 財布の持ち主には第2のブログがある。

          2024年6月9日 メモ「人の財布2」

          2024年6月4日 メモ「人の財布1」

           ネタバレが含まれるのでこれからプレイしようとしている人は注意!  謎解きゲーム「人の財布」が届いたので配信でプレイしてみた。次回のために、今回分かったこと&まとめながら気づいたことを書き残しておく。  今回の配信ではとりあえず財布の中身をひと通り見て、そこから直ちにわかることを確認した。メモリ16GBのMacBook Airで配信したら負荷に耐えられず音が途切れ途切れになってしまったのは反省点。  財布の中に入っていたものは以下の7つ。 学生証 山梨にある高校。財

          2024年6月4日 メモ「人の財布1」

          2024年5月15日 雑記「世間のエーアイ騒ぎを見て」

           最近、Twitterでは常に「生成AI」が燃えている。生成AI利用に関わる問題点を考えると燃えることもあるだろう、という状況ではあるが、トレンドの「生成AI」をクリックして流れてくるようなツイートの多くがそもそも言葉の定義を全然わかっていないことにかなり嫌悪感を覚えた。僕はかつて数学を専攻していた、ということはいつかの記事で書いたはずだ。だから「定義」というものの大切さを平均的な人よりもずっとよく知っていて、それが雑に扱われることがどうしても腹立たしく思えてしまう。定義の不

          2024年5月15日 雑記「世間のエーアイ騒ぎを見て」

          2024年4月2日 雑記「VTuber7年目と、社会人6年目」

           VTuberを始めたのは大学院生の頃だ。当時はまだ博士課程に進もうと考えていて、企業に就職する気はまったくなかった。VTuberを続ける気もなく、動画を数本投稿するだけのつもりだった。しかし、思ったよりもバズってしまった(以前の記事を参照)ことで、ここまでずるずると続けることになった。  修士課程修了前の夏には、かなり進学の決心が揺らいでいた。ここから28歳まで(一応、がんばれば少額でもありつけるような制度はあるにはあるのだが)おそらくほぼ稼ぎのない状態であることへの不安

          2024年4月2日 雑記「VTuber7年目と、社会人6年目」

          2024年1月28日 雑記「初コロナ」

           ここまで感染していなかったらさすがにもう逃げ切れるだろうと思っていたら始めて新型コロナに感染した。コロナが出始めた頃から仕事の関係でデフォルトが飛行機移動だったので当時の自粛警察に激怒されそうな生活をしていたが、4年間まったくかかることもなかったので正直ナメていた。実際かかってみてもロキソニンでほとんどの症状がおさまったのでまだ若干ナメているところはある。 0日目(23日 火曜日)  夜に肩こりを感じる。夜中に脱水症状のときのような頭がゾワっとする感覚が発生して何度か目

          2024年1月28日 雑記「初コロナ」

          2024年1月15日 雑記「ホラーと文字表現」

           なろう小説家が「ホラーは小説と相性が悪い」とツイートして炎上していた。  これを以て「相性が悪い」というのは端的に的を射ていないが、ホラーにおける文字表現(=言語を用いた表現)と聴覚・視覚表現の差異自体については十分に考察する価値がある。上記ツイートでは「音がない」「絵がない」ことを「情報の伝達手段が少ない」ことを理由にデメリットとしているが、僕はむしろ「文字は情報を伝達し過ぎてしまう」というところに文字表現と聴覚・視覚表現の決定的な違いがあると思っているので、後ほどその

          2024年1月15日 雑記「ホラーと文字表現」

          2024年1月9日 雑記「ホラー系VTuber」

           VTuberの友人と話していて、「ホラー系」のVTuberたちの関係が他の界隈と比べてかなり薄いという話題になった。ここでいう「ホラー系」というのは、ホラーゲーム実況など「ホラーコンテンツを取り上げる」活動ではなく「ホラーコンテンツを作っている」VTuberを指す。Googleで「ホラー系 vtuber」と検索すると前者が上部に多く表示されるため、後者は前者よりも母集団がかなり小さいと思われる。単純に僕がVTuberを知らなさすぎるというのも大きそうだが、確かに昔よりは見な

          2024年1月9日 雑記「ホラー系VTuber」

          2024年1月5日 雑記「自分で判断できるようになることの重要さについて」

           僕がVTuberを始めた2018年からずいぶんと長い時間が流れ、様々な"売り"を持ったVTuberが活動するようになった。当時から「学術系」として活動する者は一定数いたが、現在存在する「学術系」VTuberはさらに多岐に渡る。ちょうど昨日知ってフォローさせていただいた民俗学系VTuberの天道巳弧氏はその一例だし、明確に「学術系」と名乗っておらずともKYOTOU氏の ように哲学の知識を生かして活動しているVTuberもいる。堅苦しいアカデミックな話を親しみやすく話してくれる

          2024年1月5日 雑記「自分で判断できるようになることの重要さについて」