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詩作、過去作品 公開保存用

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鹿の残響

 脱ぎ捨てられた長靴が田植用ではないという噂で満ちた木立。形容詞の鹿は異なる重力で風にのり、風はテレビから吹きはじめた。

魚卵が浮いている。それだけで夜の闇が広がった。納屋は摩擦であふれていた。オルガンの音のように、ただ果実が熟すのを待つ。

屈葬の話をし出すと親戚中若返る。そして鹿が駆けるように午後は、イヤリングになった。喪服からのぞく素足を気にする女性達。

 「一度でいいからストリップを観

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失業保険

。ん、ああ、、そう潮干狩りのような午後。遠近法の風が流れて、そうめんつゆが古い木のテーブルに染み込もうとしており、それは、ストレートタイプだった。あなたのゴシック体が嫌いです、と偏西風のように囁かれても他の書体を知らず、いま思いつく字というと、タイプライター。阿倍仲麻呂。音を立てずに、花言葉を調べなければならなかった。そんな時、打楽器で癖になったささやかな腱鞘炎が蘇って、洋梨の、果肉の病気を間近で

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羊歯植物

                           葉と葉の間一つ一つがお稲荷様だ。

背中の毛が濡れている。

どぶ板の上につくられたお稲荷様、

出勤前のホステスの腰の臭いを嗅ぎたくて体をかたむける。

どぶを流れる油の虹色の反射が岩手の女のようだと言って喜んだ。

東北の北のほうにしか褐色の女はいないという。

お稲荷様は明け方石になる。

葉はそろって不潔に揺れる。

 

     

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喘息の少年の世界

夕暮れの、三叉路の先に絵画教室が聳えていて、残光のような少年の姉が、感受性ってこの血管のことだと思うよ、と言いながら静脈の、蒼白さを反射させてみせた。少年は、理想の耽美派を間近にして、回想の中で川遊びの主語を省いていく。絵日記の宿題に、頓服薬の紙袋を描かなければならなかった記憶。少年の、喘息の喉と、まだ柔らかい耳の骨。絵筆は少年の鞄のなかで、孤独な森林であり続けた。そして瑞々しい木々は裸足で歩き、

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