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あさきよめ:室生犀星記念館
悔のない一日をおくることも
容易ならざる光栄である。
時間一杯に多くのものを読み、
何かを心に書きつらね、
少しもたるみなくけふを暮さうと、
身がまへてはゐるけれど、
鈍間な生涯がのろのろと、
山また山の彼方に続いてゐる。
室生犀星(むろう・さいせい、1889年~1962年)…詩人、小説家。
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画像は石川県金沢市にある室生犀星記念館。室生犀星の生家跡でもある場所。
一般的に室生犀星は、詩人として知られているのだろうか。それとも、小説家として知られているのだろうか。私の場合には、詩人として室生犀星が定着している。そもそも、何で知ったのだろうか。萩原朔太郎や立原道造の辺りだろうか。あまり記憶にない。
室生犀星といえば、やはり「小景異情・その二」だろう。
ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土の乞食となるとても
帰るところにあるまじや
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