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演劇的手法を学校に【読書のキロク】

こんばんは、"もっちゃん"です。
記事に興味を持ってくださり、ありがとうございます。

演劇的手法、というとどんなものがイメージされるものでしょうか。
自分としては、プレーヤーとしてはあまり関わってこなかった領域とも思います。

もちろん、演劇を観ることは好きですし、研究の対象としてきたこともあります。

自分が演るとなったときのハードルの高さを感じてしまうのは私だけでしょうか。

そんな中、興味深い本を紹介いただいたので、読んでみました。

◯今回読んだ本:『なってみる学び 演劇的手法で変わる授業と学校』 渡辺貴裕・藤原由香里 時事通信社

表紙も素敵な写真です。
きっと、『スーホの白い馬』を演劇的にやっているんだろうなぁ、ということをパッと見で感じます。

◯概要

「なってみる」授業から、

「なってみる」校内研修、

「なってみる」公開研究発表会へ。

自分が知らない世界にワクワクしながら、そして喜怒哀楽さまざまな感情を経験しながら学ぶこと。自らの感覚を働かせ、それに根ざした想像力を発揮するような学びがここに。本書では、そうした課題に挑み、教師集団も子どもたちも共に変化を遂げていった学校を取りあげ、授業づくり・学校づくりのあり方の一つの可能性を提示する。

上記ホームページ内容紹介より引用

授業、校内研修、公開研究発表会と、どんどんと枠を広げて考えていっています。

京都府の公立小学校での実践事例をもとに、その研究主任と学外からの講師として関わっていた大学の先生の共著の本になります。

◯子どもが「なってみる」

上の通り、本書では3つの場における「なってみる」学びを紹介しています。

その3つのうち、"授業"において「なってみる」主体となるのは子どもです。

もちろん、教員も子どもを引き込んだり、学習過程の中で何かに「なってみる」こともあるかと思います。

ただ、この場合でのメインは、子どもが学習内容に対して演劇的手法を用いていくことで、理解を深める、自身の考えを深めていくことかと思います。

取り上げられていた教科は、道徳や国語

とてもイメージしやすいものと思います。登場人物の心情や、状況の理解に向けて、さまざまな形で「なってみる」わけです。

代表的な手法としては、「ロールプレイ」でしょうか。

とても効果のあるものだと思います。

また、演劇というコミュニケーションを用いることで、その力をも育む要素があるものと思います。

子どもたちの人間関係も含めて、良好な雰囲気に近づいていくであろう、といった感じがありました。

◯小学生でやりたい!中学生や教科は…?

個人的には、小学生でぜひやってみたいことだと思いました。

国語や道徳でやりつつ、学級経営も意識した手法と思います。

良い雰囲気で学びに向かう様子が、なんとなく思い浮かびます。

また、逆にもう少し上の年齢層だったり、別の教科だったら何ができるだろう?
ということも考えました。

中学生だと、その演劇的手法にとりかかるまでの、アイスブレイクに時間を費やしそうな気がします。

ただ、教科はいろいろな教科でできそうな気はします。

むしろ、教科の専門性を生かして、よりクリエイティブな取組になりそうな気がします!

自分も理科の中でどう生かせるか、引き続き考えていきたいと思います。

◯教師が「なってみる」

どちらかというと、個人的にはこっちの方が面白いと思いました。

研究授業等に際して、事前研究会や事後の研究会で、子どもになって学習者目線で考える、ということです。

実際に演劇的に子どもになりきるようです。

事前の研究会では、子どもの反応をより具体的に考える。

事後の研究会では、実際の授業を子どもの視点で追体験する。

とても有用であると思います。

演劇的手法と言わずとも、上記のようなことは日々行われているとも思います。

ただ、演劇的手法と銘打っていくことで、とてもキャッチーなものとなり、いろいろなところで実践しやすいのではないでしょうか。

◯演劇的手法について

演劇的というと、即興演劇(インプロ)も思い浮かべます。

学校現場も含めて、数々行われているワークショップが印象的です。

アイスブレイクのワークも含めて、いろいろな場で取り入れることができ、かなり応用もされているものと思います。

本書の演劇というのも、脚本とかを使うミュージカル的なものもあるとは思うのですが、どちらかというと即興演劇を指向していると思われます。

それも含めて、私自身も演劇について学び直していきたいと思います。

◯教職大学院の模擬授業

現在私は教職大学院に在籍しています。

講義の中で模擬授業を行ったりもするのですが、自身が授業するときでないときは、子ども役です。

正直、これまでそんなに意識していなかったのですが、これは子ども側の視点に立って考える最良の方法だったのですね。

これまで、どんなスタンスで参加したら良いのか、よくわからないまま模擬授業に子ども役として臨んできていた気もします。

いっそ、ガッツリ子どもとして振る舞ってみることで見えてくるものがあるような気もしてきました。

今後もたくさんの模擬授業があると思われます。
本書で得たものを生かして、良い雰囲気の中でやっていきたいと思います。


そんなことを考えた1冊でした!

渡辺貴裕先生は、noteをしばしば更新されていらっしゃいます。

そっちもちょこちょこチェックしていきたいです。

自己紹介はこちらから。

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