パニック障害がCT検査を受けてきた
パニック障害の人にとって、病院でのCT検査は恐怖でしかない。身体拘束される上に、なんだかわからない円筒の機械の中に何度も引きずりこまれる。
今回はパニック障害の私が鼻中隔側弯症の検査のためにCT検査を受けてきたので、その際に発作を抑えるコツについて書いていきたいと思う。
CT検査を受けるまでの経緯
まず今回の検査に至った経緯について簡単に述べようと思う。私は昔から鼻詰まりがひどく、特に右の鼻の詰まりがえぐかった。その違和感のせいで右の鼻の中に指を突っ込んでほじくって鼻血を出すというのを毎日のように行っていた。
すでに24歳にもなる人間が鼻をほじくっては鼻血を出すのを繰り返してるわけで、側から見ればかなり滑稽である。そこで、現在の無職期間を利用して本格的に治療してもらおうと思って耳鼻科に行き、検査をするに至った。
検査を受ける前にやったこと
まずCT検査を受ける前にやったこととして、頓服薬のリーゼを2錠ほど飲んだ。以前歯医者でパニックを起こしてから、1錠だと発作を抑えきれないことがわかっていたので、だいたい検査の30分ほど前に精神科でもらっていたリーゼを2錠舌下投与した。
舌下投与なので、普通に飲み込むよりも直接血管に有効成分が入り、効き目が早くなる。実際、リーゼを舌下投与してから15分ほどで検査への恐怖や不安がなくなって頭の中がふんわりしてきたのがわかった。
CT検査の実態
私は鼻中隔側弯症という、鼻の真ん中の骨が曲がっていて鼻の穴が狭くなり呼吸に影響を及ぼす病気の検査のためにCTを行った。なのでCTスキャンをされたのは顔の部分だけで、内臓をスキャンするような人たちよりもかなり早く終わったと思う。
実際にかかった時間は5分ほどだった。まずメガネやマスクを外すように言われ、その後頭をCTスキャンの装置に向けて仰向けに寝そべるように言われた。その後、手を腹の上で組んで、バントで体を拘束された。
パニック障害を患っている人にとっては身体を拘束されるのは一気に緊張感が高まる。なぜなら「そこから逃げられない」という恐怖が増大するからだ。しかし、直前にリーゼを飲んでいたおかげか、その不安はかなり和らいでいたと思う。
検査の途中では、体が円筒形の装置の中に行ったり出たりするのを感じた。といっても顔が装置の中に入るだけなのでそこまで恐怖感はなかった。だいたい2,3回ほど体が行ったり来たりするのを感じた後、放射線技師から「お疲れ様でした」という声がかかり、検査が終了になった。
恐怖感としては歯医者よりもはるかに軽かったというのが率直な感想である。吐き気がパニック発作の主な症状である私は、口に手を突っ込まれる歯医者の方が何倍も恐怖感が強い。それに比べてCT検査は体を多少拘束されるだけなので吐き気がくることがなく、比較的苦痛はなかったと思う。
それと、やはりベンゾジアゼピン系の抗不安薬の即効性には助けられた。抗うつ薬が将来的な不安を和らげるとしたら、抗不安薬は差し迫った恐怖感を和らげてくれる。歯医者やCTスキャンなど、逃れようのない恐怖から精神を保護してくれるように感じた。
もしこれを読んでいる読者の中にパニック障害が原因で歯医者やCT検査が受けられないと嘆いている人がいるならば、精神科や内科などでベンゾ系の抗不安薬を処方してもらうと良いと思う。特にリーゼやワイパックスなど即効性のある薬が良いと思う。
特に歯医者は長期間行っていないと虫歯だらけになってしまい、治療にかなりのお金と時間がかかってしまうことがある。パニック障害の辛さは自分もよくわかるが、やはり将来的なことを考えると、抗不安薬を飲んででも定期検診をしてもらうことが大切だろう。
多少辛くても自身の健康のために抗不安薬をうまく使って病院に定期的に通った方が良いと思う。