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19世紀イギリスの平安貴族たち【名詞】monosyllable(ジェーン・オースティン『高慢と偏見』)

She found it difficult to obtain even a word from her beyond a monosyllable. (p. 180)
彼女の口からたったのひと言を引き出すことさえ、なかなか難儀なことだった。

Jane Austen / Pride and Prejudice (1813)

高慢なダーシーの妹と初対面した主人公エリザベス。妹も傲慢だと聞いていたが、実際はとんでもなく内気で控えめな女性だった。

ここで気になったのは monosyllable. 単音節語のことで、英語の学習書や文法書くらいでしか見かけたことがなかったので、めんくらった。こんな使い方ができるとは。

直訳すると、「ダーシー嬢から単音節語よりも長い単語を引き出すことさえ、エリザベスは難しいと感じた」ということで、要はめっちゃ無口なことを比喩的に表現しているわけだが、これを自然な日本語にするのはなかなか難しい。

日本語で単音節語というと、例えば「はい」「いいえ」すら当てはまらない。

「飯」「風呂」「寝る」ですら2音節だ。

日本語でモノシラブルというと、「火」とか「蚊」とか「手」とかだ。これでは会話は不可能だ。

よって上の訳では「ひと言」とした。

ちなみに私の脳内イメージでは、ダーシー氏の妹ジョージアナは、『光る君へ』の中宮彰子(見上愛)である。

それでいくと、エリザベスは吉高由里子さんで、ダーシー氏は柄本佑さん、ビングリー氏は塩野秀久さん、エリザベスの姉のジェーンは高畑充希さんで…と、いくらでもいける。

なんと、『光る君へ』のメンバーで『高慢と偏見』のメンバー全員まかなえるじゃないか。

19世紀のイギリスは、日本の平安時代と地続きだったのである(なんだこの結論は)。


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