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高慢と偏見と駆け落ち【名詞句】runaway marriage
グレトナ・グリーン(Gretna Green)は、スコットランド南部西海岸の小さい町である。駆け落ち結婚(runaway wedding)で有名。
英文学最高峰とされるマッチング小説より。
主人公の妹、無軌道でちゃらんぽらんなリディアが駆け落ちした街 グレトナ・グリーンがどこにあるのか調べてみたら、「駆け落ち結婚で有名」とあったので驚いた。
もしかしてこの小説のおかげで有名になったのか?、と思えばさにあらず。
1753年、ハードウィック卿の婚姻法がイングランドで可決して以来、イングランドでは両親の承諾を得た21歳以上の男女のみに結婚が制限されるようになった。この法律はスコットランドには適用されず、男性は14歳、女性は12歳以上ならば親の承諾なしに結婚できることになっていた。(中略)よって、婚姻法が改正される以前は、多くの駆け落ちカップルが結婚するためにイングランドを逃れ、スコットランドに入って最初の町、すなわちグレトナ・グリーンへと走ったのである。
なるほど。治外法権とか、共同租界みたいなものなのね。
こまへん(『高慢と偏見』のことね)が1813年発表だから、オースティンはこのことを承知の上で小説に盛り込んだのだろうか。
runaway marriage というフレーズも、そのまんまで清々しくさえある。
なお記事によると、イングランドの法律にはさらに asking of the banns (一定期間の結婚予定通告)というルールがあって、「その間、誰でも結婚に対する異議申し立てができ」たのだそうだ。
『ジェイン・エア』の教会での挙式妨害は、これだったのね。
あと、『ねるとん紅鯨団』の「ちょっと待った!」も、これの一種だね、きっと。