2024年8月の記事一覧
『ユリシーズ』と『ドルアーガの塔』はちょっと似ている【伝承】Will o’the wisp
20世紀を代表する小説のひとつとされながら、難解すぎて読破する人がほとんどいないことでも有名な『ユリシーズ』より。
主人公のひとりブルームが、友人の葬式に参列中、墓守はどうやって女を口説くのか?について考えている場面である。
なかなかの不謹慎である。まあ文学とは、人間とはそういうものではあるのだが。
ご存じない方には、どこらへんが世紀の傑作なのかを、この抜粋からお伝えするのはなかなか難しいし
終戦と降伏【名詞】surrender(Japan Times)
今更だけど、英語では「終戦」記念日ではなくて surrender 「降伏」記念日だったのだ。
日本が日本のニュースを発信する媒体でも、 end ではなく surrender を使う。
というか、あんまり調べたくないけど、「終戦」という言い方をしているのは、日本だけなのかもしれない。
そもそも「終戦」の「終」は自動詞なのか、他動詞なのか。主語は日本なのか、戦勝国なのか、「戦争」なのか。
名状しがたいものを記述するということ【形容詞】inconceivable, indescribable, unmentionable, unclean, uncanny, unwelcome, abnormal, and detestable(H. P. ラヴクラフト『アウトサイダー』)
物心ついたころからひとり城に幽閉されていた「私」が、ある時城の塔を登り、初めて外の世界に出てきた時に見出した恐怖についての描写である。
この、まるで類語辞典を調べながら書いたかのような形容詞の羅列、これは明らかに、著者の頭の中にあるイメージを言語化しようとしているのではない。
語彙力を駆使して、名状しがたいものを読者それぞれの心のなかに現出せしめようとしているのだ。
ここに文芸だけの持つ力と