はるひ野記

薄明薄暮性の佐々木ささみ。

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最近の記事

【日記】渦中とミニピル

布団と背中がくっつく日は定期的に訪れていた。お腹と背中がくっつくぞ、であれば腹が減っただけだ。ただの生理現象である。大したことはない。冷蔵庫を漁って、切り干し大根でもきゅうりでも食べたらいい。でも、布団と背中がくっついたら事だ。これは生理現象ではない。病気かもしれない。何せ起き上がることができないのだから。頭の中を罪悪感でいっぱいにしながら職場に連絡し、今日は休みますと言う。職場の人は優しいから「お大事に」と気遣ってくれる。でも、今日やるはずだった業務はどうなるか、とか、あい

    • 最新のカップヌードルトムヤムクンの食べ方

      日清カップヌードル、トムヤムクン味。 お湯を入れて3分待つ。 上に付いているペーストを入れる。 これだけでびっくりするほど美味い。 あれ?上に付いている辛美味いペーストは"トムヤム"ペーストというみたいだが、となると"クン"は一体どこにいってしまったのだ? トムヤムクンをトムヤムクンたらしめているのは"トムヤム"部分のみであり、"クン"はさほど重要ではない? "クン"は例えばスープや汁などの意味で、あってもなくてもいいのか? あとで調べておきます。 最近、このカップヌード

      • 濡れた道路の向こう側にあるネオンの街

        雨の日はいい。 嵐の日もいい。以前、台風が来たときに、私はちょうど帰り道を15分程度歩かなくてはならなかった。風もごうごうと吹き荒れているため、持っていたビニール傘は無用の長物と化した。それで私は、素っ裸で進まなくてはならなくなった。嵐の前では、傘もレインコートもない者は皆素っ裸なのである。 全身びしゃびしゃになって、やっと家に辿り着いた。一目散に風呂に向かい、熱いシャワーを浴びたとき、おお、まさかこんなふうに快感を得られるとは思いもしなかった。 帰る家があり、なんと家

        • 『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を鑑賞して考えた"作為の多様性"

          もちろんおもしろかった。 でも、観たあとに小さなしこりが残って消えない。 自分の感情と素直に向き合ってみたいと思ってしまったので、書いてみる。 「正しさ」を押し付けられているな、という感覚になった、というのが私の正直な感想である。 というのも、マリオのゲームは大抵、①ピーチ姫がクッパに攫われる ②キノピオの要請を受け、またはピーチ姫誘拐の現場にマリオ自身が居合わせ、助けにいくことになる ③数々のステージを踏破し、クッパ城に辿り着く ④クッパを倒し、ピーチ姫に再会する と

          【日記】私は君の母親じゃないので

          友達と電話した。 深夜3時に「やばいくらい落ち込んでいる」とメッセージが来たので、これを放っておいたらもしかして私は罪人となるのか?と思った。 おかげでとんでもない寝不足になってしまった。 この人は前の職場で一緒だった人だ。 仮にNとする。 Nは私が今まで会ったことのある人の中で、最もものの考え方が変わっている。 (最大限オブラートに包むとこういう表現になる) 例えば… 私は前の職場に定期的にもらいものの野菜を差し入れに行っている。 普段、野菜を主に持って帰るのは子供

          【日記】私は君の母親じゃないので

          【日記】雀士ごっこ

          今日の話ではないが、少し前に友達と手打ち麻雀をやってみた。 今まで、ネット麻雀を少しだけやったことがあるというだけで、本物の麻雀牌を触ったことはなかった。 麻雀牌を華麗に捌く仕草はかっこいいな、とMリーグやYoutube動画を観て常々思っていた。しかし、自分が本物の麻雀で遊べるとは思えなかった。 麻雀牌を所有していないし、金はないし、麻雀ができる友達もいない。 ちなみに雀荘に行くという選択肢はない。私はギャンブルが嫌いだ。あと何回も書きたくはないのだが金がない。 しか

          【日記】雀士ごっこ

          【日記】勝ち負けのある世界

          今日疑問に思ったことがある。 私の基本スタンスとして「自分がどう見られるかが大事で、出会った人を不快にさせないようにしたい(相手を不快にさせることで自分の評価が下がるのを避けたい)」というのがある、と今まで思ってきたが 自分がどう見られるかが大事なら、なぜ容姿に配慮しない? 容姿が他人に与える影響はわかっているつもりだ。 人間は結局ビジュアルの生き物だ。容姿がいいほど相手に好印象を与える。 それなのに容姿に配慮しないのは、「自分がどう見られるか」さえもどうでもいいのではな

          【日記】勝ち負けのある世界

          【エッセイ】自分で髪を切ることの効能

          自分で髪を切ることがある。 前髪だけではなく、横や後ろも切ってしまう。 ごく普通の文房具であるハサミでばさっと切ったあと、すきバサミで大胆にじゃきじゃきとやる。 私は髪切りのスキルを一切持ち合わせていない。当然、おかしな髪型になる。この間切ったときは、後ろのほうのある部分だけ長いままぴょんと出ていた。 でも関係ない。縛ればほとんどわからないし、ヘアアイロンで巻けば誤魔化せる。 なぜ美容室に行かずにこういうことをするのかといえば、3年ほど前に、霜降り明星の粗品さんが自

          【エッセイ】自分で髪を切ることの効能

          【エッセイ】ひとりだけシラフで取り残される悲しみ

          私は酒に強くない。 厳密にいうと、ハイボールなら2〜3杯飲める。体質に合っているのだと思う。 その他の酒を飲むと、頭痛と吐き気を催し、動悸が早くなり体を起こしていられなくなる。 となると、 ハイボールは体質に合っている=ハイボールでは酔わない その他の酒を飲まない=酔わない という図式が私の中で成立する。 だから、飲み会が苦手だ。 酔えないからだ。 ちなみに、飲み会の勘定を飲む人も飲まない人も割り勘するというのは意外と気にならない。 なぜなら、飲む人が酒を飲んでい

          【エッセイ】ひとりだけシラフで取り残される悲しみ

          【エッセイ】モンスターエナジーパイプラインパンチでしか得られない栄養がある

          モンスターエナジーパイプラインパンチは、言わずと知れたエナジードリンクのブランド「モンスターエナジー」の一種。ピンク色のパッケージだ。 ピンク色というか、まあ鴇色というのが近いのか? 私はモンスターエナジーパイプラインパンチが好きだ。 仕事がある日は毎日飲んでいる。たまに買っていくのを忘れたときは、うなじから(腹の底や胸の奥ではなくて、本当にうなじなのだ)ぶわぁっとあのパッケージのイメージが広がっていき、やがて脳内を覆い尽くす。 なぜ朝コンビニに寄らなかったのか、なぜ職

          【エッセイ】モンスターエナジーパイプラインパンチでしか得られない栄養がある

          【エッセイ】『推し』という概念を決めた

          あなたには、『推し』なる存在がいるだろうか。 私はここ数年、『推し』という概念に違和感を覚えていた。 それは私の中で、”何が『推し』”で”何が『推し』でない”か、境界線がはっきりしていなかったからである。 最近、『推し』を自分なりに解釈できたので、覚書として書いておこうと思う。 あくまで自分なりの解釈なので、「あたりめーだろーがべらんめぇ」とか「いや頓珍漢なこと言っとるでぃ」となる可能性はある。 それと、今回は基本的に「三次元、二次元に存在する人または亜人、獣等」に限

          【エッセイ】『推し』という概念を決めた

          【エッセイ】私の「○○でしか得られない栄養がある」

          たまにYoutubeのコメント欄やTwitterで見るやつ。 私にとっての○○は何かなぁと思った。 モンスターエナジーパイプラインパンチ ウィンストンキャスター5mm 線香の煙 ひとりで値引きされた惣菜をテーブルの上に並べて、誰の目も気にせずお腹いっぱい食べること 自分でつくったキャラクターが勝手に考えたり喋ったりすること 髪の毛を自分で切ること けっこうあった。 今日は線香の煙について書こうと思う。 線香の煙は、祖父が亡くなったときを思い出す。 祖父は口

          【エッセイ】私の「○○でしか得られない栄養がある」

          【考えたこと】夢と欲の違いとは何だ?

          夢と欲の違いは何か。 『チェンソーマン』を読んで、考えたくなった。 夢と聞いて思い浮かべるのは「海賊王になりたい」、「火影になりたい」といった”何らかの地位や名誉を手にしたい”という類のものだ。 現実世界でいうと「宇宙飛行士になりたい」、「サッカー選手になりたい」、「事業を起こしたい」など、”就くのが難しいとされている職業に就きたい”というのも夢だと思う。 更に、「世界中を旅行したい」、「憧れの車を購入したい」という”体験や財を手に入れたい”、も私は夢と呼ぶ気がする。

          【考えたこと】夢と欲の違いとは何だ?

          【小説】真希川つな子が死んだらしい

           真希川つな子が死んだらしい。  彼女の訃報は、SNSのトレンド欄で知った。息が詰まるほどの人だかりの中で、下りの電車を待っていた。何の気なしにスマートフォンをショルダーバッグから取り出した。流れるようにアイコンをタップして、いつも見ているホーム画面に戻ってくる。トレンド欄には、「真希川さん」、「真希川つな子」、「真希川つな子逝去」と並んでいた。途端に辺りはぼんやりと灰がかり、解像度が下がっていった。  押しつ押されつ、小さなステンレスの箱にすし詰めになる。体はぎゅうぎゅ

          【小説】真希川つな子が死んだらしい

          【ルポ】うちに住む妖怪について

          うちには何匹か妖怪が住んでいる。 というのも、奇怪な現象に見舞われることが多々あるのだ。現在の家に引っ越してきてから増えた気がする。 絶対に妖怪の仕業だ。でないと説明がつかない。ああ、恐ろしい。 妖怪その1 クリーム舐め またやられた。 任天堂ショップで購入した、どうぶつの森のリップクリームを保有していたのだが…… クリーム舐めに持っていかれた! 妖怪クリーム舐めには前科がある。数か月前のことだ。被害に遭ったのは、小さめのニベアの青缶。洗面所に置いておいたのだが、たし

          【ルポ】うちに住む妖怪について

          【エッセイ】この世で最も美味しい食べ物5選

          今日はこの世で最も美味しい食べ物を紹介するぞ。 1.カップヌードル パクチー香るトムヤムクン これ以上に美味しいカップ麺、なし。ちなみにトムヤムクンはタイ料理店で3回(すべて別の店)、レトルトで1回食べたことがあるのだが、全部味が違った。全部。食べた時期が違うから味覚に変化があったのか?本当は全部同じ味だが私が認識できていないのか?それともトムヤムクンは味の振り幅が大きい料理なのか?まだトムヤムクンについて理解が深まっていないので、私の中のド直球トムヤムクンは、カップヌー

          【エッセイ】この世で最も美味しい食べ物5選