エブタコ
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関西男 できない恋愛相談編
なんか気まずい。
この気まずさは、初対面でお互いに話したいけど、何を話していいか分からず、沈黙を破れずにいつ気まずさとは違う。どこか避けられている気がして、無理に関わろうとしないほうがいいのかと思ってしまう。
バイトの帰り道。
自然と仲良くなって、お互いに気を使わなくなったバイト仲間のみなみちゃんと一緒に帰っている。つい最近まで、バカな話をして、笑い声が絶えなかった帰り道と同じはずなのに、今日は
ねっとり男 寿司と小説編
「えっすごい、えっ80貫なんのネタ食べたの」
学年の委員会が終わって、自分たちの教室に戻る時に、同じクラスで、同じ体育委員の一実と2人きりになった。
ふいに昨日テレビでやっていた大食い選手権の話題になり、俺の回転寿司のベスト記録を伝えると、一実は目を丸くして、口を開けて驚いた。
80貫食べたことは、嘘ではないが、ちょっとしたトリックを使っている。
80貫は一見多いように見えるが、実際に俺
確認男 バスと自転車編
長年愛用していたクロスバイクが壊れた。
大事に使っていたつもりだが、ある日乗ろうと思ったらフレームが割れていた。長年愛用していた物が、ある日急に壊れる感じが、生き物と変わらないなと悲しくなった。とはいえ、自転車は生き物とは違う、修理をすると生前動揺の輝きを取り戻し、復活する。
修理をしようと自転車屋に持っていったら、「2万はかかる」と診断された。2万も修理に出すなら新しいのを買おうかとも
確認男 いきつけのカフェ編③
カランコロンカラン。
重たいドアを開けると、ドアの上に付けられた鐘がなる。聞き慣れたもので、どれくらいの強さでドアを開けると、綺麗に鐘の音が鳴るか覚えたくらいだ。
俺がレジの前に立つやいなや、真夏が、「いらっしゃいませー いつものでいいですか?」と聞いてきた。
まさかの真夏からの問いかけに、「あっ、はい。......覚えててくれたんですか?」と思わず確認してしまった。確認しなくとも、いつ
確認男 行きつけのカフェ編②
「いらっしゃいませー!」
絶え間なく聞こえてくる入店のベルが聞こえてくると同時に俺は声を飛ばした。客に向かって言ってると言うより、入店のベルに対して、もうこれ以上鳴らないでくれと念を込めて言っていた。
咲に50万を請求され、その時すでにバイトはしていたが、俺は時給がよく長い時間働ける店を探した結果、この居酒屋で働き始めた。
店長も俺の事情を話すと、すぐに時給を上げてくれたり、休憩時間にも給
確認男 行きつけのカフェ編①
カフェにハマった。
すごくコーヒーにこだわりがあるわけではないが、カフェでコーヒでも飲みながら小説を読むのが好きになった。
今までは、休みの日は家で、アマゾンプライムでドラマをイッキ見したり、プレステでウイニングイレブンを死ぬほどしていた。
しかし、大学4年になり、就活に追われ、1日で何社も面接をはしごしたりした。その時に、カフェで待機することが自然と増えた。
着慣れていないリクルー
確認男 居残り掃除編
「ちょっとサボってないで、掃除しなさいよ」
閑散とした教室で、恵(めぐ)がほうきを片手に口をとがらせた。
「なんで、お前なんかと2人で、居残り掃除なんかしなきゃいけないんだよ」
居残り掃除とだけで、ただでさえダルいのに、横に模範囚がいると、余計にダルさが増した。
特別汚くないし、先生も別に細かくはチェックしていないから、黒板さえ綺麗にしておきゃなんとかなるのに、恵は生真面目を発揮して、懸命
確認女 学校の帰り道編
「あー、今日も授業疲れたね」
学校の帰り道。隣を歩く真夏に話しかけた。
つい先週までは、桜で華やかだった帰り道もすでに思い出、桜を見るまでは普通だった道が葉桜のせいで寂れて見えた。
でも、そんな桜の帰り道を真夏とは3年連続で歩いた。1年の時に同じクラス、隣の席になったのをきっかけに、それから3年間同じクラスで、すごい話が合うのと、家の方向が同じだから、ずっと一緒に帰っている。
「ねー。大変