筋トレのコツ38:レイオフとアクティブレストを利用し、休養を上手く取ろう
この記事では、長期的なトレーニング計画に必要な「レイオフ」と「アクティブレスト」ついて簡単にまとめています。
尚、「レイオフ」とは、一定期間トレーニングを休止させる事、「アクティブレスト」とは、休養時、敢えて体を動かして心身を休める事を言います。そうして活動と休息のバランスを取りましょう。
時には心身を労ろう・・・
高強度のトレーニングを長期間に渡って続けている場合、例え毎日違う部位の筋肉を鍛えていても、次第に回復が遅れていく事があります。
例えば全力に運動した翌日に起きた後には、自律神経系の疲弊によって、食欲が全然湧かない・・・という事があると思います。それと同じで、あまりのトレーニングのハードさが原因で、自分が思うように栄養摂取ができていなかったり、あるいは自分が気づかぬ内に睡眠が上手く取れなくなっている、という事があり得ます。
また筋肉への大きなストレスは酸化ストレスを発生させ、細胞の酸化を招き、それが蛋白質の合成を妨げてしまう事があります。トレーニング量を増やしているのに、食事や睡眠あるいは精神面のケアが追いついていない場合、筋トレをする度に筋肉が萎む・・・という事にもなりかねません。
更に、ハードなトレーニングは精神的にも大きなストレスを伴うものであり、そのダメージが積み重なれば、どんなにトレーニングが好きでもモチベーションの低下に繋がります。いずれは長期に渡ってトレーニングを休止せざる得なくなり、何事にもやる気が出なくなってしまうかもしれません。
それを最小限に抑えるためには「数日に1回程度、完全な休養日を設ける」という事も、人によっては重要になる場合があります。何事もバランスが重要です。
「チートデイ」とは?
そのような完全休養日では「チートデイ」を設けるのもオススメです。チートデイとは、数日~数週間に1回程度、一時的に食事の量を増やす日(体脂肪率が高い人ではあまり効果はないとされている)の事を言います。
内容としては「炭水化物が中心」となり、蛋白質・ビタミン・ミネラルは適度に、脂肪は控え目(完全制限ほど切り詰める必要はない)、しかし「摂取カロリーは平日の倍以上」という感じになります。
よってチートデイでは食事の殆どが「炭水化物」で埋め尽くされる事になります。「チートデイ」という言葉だけを聞くと、「ただ好きなものをたくさん食べれば良い」というように感じてしまいますが、実際はかなりきついものがあります。
尚、チートデイの食事については別途記事にします。
「レイオフ」と「ディ・トレーニング」
1日単位ではなく、もっと長い期間トレーニングを休止させる事を「レイオフ」と言います。またそのように一定期間トレーニングの量を減少させた結果、体で起こる反応の事を「ディ・トレーニング」と言います。
特に筋肉は長期間をかけて鍛えるほど、一旦トレーニングを休止しても衰えるのが遅くなったり、あるいは例え衰えてもトレーニングの量を戻せば、元の筋肉量に戻るのも速いという特徴があります。これは俗に「マッスルメモリー(与えられたストレスを記憶し、筋肉を維持しようとする)」なんて呼ばれています。
これによって、筋肉量が落ちない程度にまで筋トレを休止させたり、あるいは重量・セット数・頻度などを下げて行って、モチベーションが回復した後で再びトレーニングを再開させる・・・というような調整ができます。
ただしトレーニングを完全に休止させる場合、3週間~1ヶ月程度経過すると、さすがに筋肉も大きく萎み、筋力の低下も著しく起こってしまいます。よってレイオフを行う頻度としては、「数ヶ月に一度程度」とし、「一度の期間は1~2週間程度」がベターだと思われます。
すなわち休みすぎも良くないという事です。またレイオフは必ずしも行わなければならない訳ではありません。人によります。
「アクティブレスト」とは?
激しい運動を行った次の休養日において、逆に敢えて体を動かして休養を取る事を「アクティブレスト」と言います。
例えば普段は筋トレを行っている人の場合、有酸素運動を行ってみたり、あるいは普段行った事がないようなスポーツで汗を流したりなど、人によってはそれが気分転換になる場合があります。
尚、これは余談なのですが、「レイオフ」や「アクティブレスト」という言葉があるという事は、世界で戦っている人たちは、トレーニングを継続する事が苦痛になるほどにまで、日々自分を追い込んでいるという事です。例えプロでも長期間トレーニングを続ける事は、それだけ難しい事なのですね。
これは我々からすれば無縁の世界のように思ってしまいますが、そういう先駆者がいるからこそ、トレーニングや栄養素に関する各種知識が、これだけ身近になったのだと私は思います(まだまだ筋肉を落としてまで痩せようとする人は多いですけど・・・)。
一度そういう世界を自分で体験してみると、世界の見え方も大きく変わるかもしれません。まぁ私自身はそこまではやりませんけど(笑)
以上になります。何かのお役に立てれば幸いです。