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世界を旅するわたしの原点〜ようこそヘタ沼へ〜


以前、国を擬人化したマンガ「Axis Powers ヘタリア」をnoteで叫んだら、ありがたいことにたくさんの方に読んでいただいた。

調子に乗って、今回はもっと盲目的に、もっと専門的にヘタリアのことを語らせてください。


\よろしくお願いします/
※左からイタリア、ドイツ、日本
引用




当時高校3年生。
受験シーズンまっさかり。


にもかかわらず、
「ヘタリア」に沼ってしまった。

ヘタリアとは、国を擬人化させた漫画で、
ヘタレが国民性であるイタリアが一応の主人公である。
第2次世界大戦の枢軸国チーム(イタリア・ドイツ・日本)と、連合国チーム(イギリス・フランス・アメリカ・ロシア・中国)がメインでストーリーが展開する。随所に国際ジョークや時事ネタが散りばめられている。
ゆるふわなノリのくせに、世界史がわからないとイマイチ楽しめない高貴なマンガだ。



受験生の身分で沼にハマるなんて。





そんなうっとうしいこと、誰にも言われたくなかったから、
1日10時間勉強した。そして残りの時間はすべてヘタリアに捧げていた。

夜な夜なpixivという(今でも現役の)イラストサイトとニコニコ動画を徘徊し、
「ドワンゴが0時をお知らせします」という時報に舌打ちし、
「ドワンゴが2時をお知らせします」であわてて布団を被った。



pixivやニコ動の大量の作品の中、好みのものを発掘したときの瞬間風速的な嬉しさは何者にも勝ることはなかった。


一度出会ってしまったら、
もう出会う前の日常を想像できなくなった。


文字の羅列だったはずの世界史が意味を持ち始めた。戦争や講和条約は、今は笑い合ってるキャラクターたちの過去。
ヘタリアに出会ってからというもの、
世界史の出来事はどこか遠い昔に起こったことではなく、友達に起こったような身近さになった。





ヘタリアの中では特にドイツとプロイセンが好きだ。この2つの国はヘタリアでは兄弟設定になっていた。
兄弟設定というのは、史実的にも正しい。


もともとドイツという国は、プロイセンを中心としてザクセン、ヘッセンなどの現在のドイツの地方に散らばる国々が「ドイツ」として統一されたことにより誕生する。

第二次世界大戦でドイツは敗戦国となり、西と東に分断された。冷戦の影響でそれぞれアメリカ、ロシアがバックについて、できたのがあのベルリンの壁だ。
東にはプロイセン時代の首都ケーニヒスベルク(現: カリーニングラード)があるので、東ドイツがプロイセンだ。ドイツとプロイセンはまたもや離れ離れになる。


要するに、プロイセン時代からベルリンの壁崩壊に至るまでドイツ史は超・複雑。
複雑がゆえに世界史でも頻出に出題される。


わたしは好きになった相手のすべてを把握したくなる悪癖をもつ。
だから、ドイツとプロイセンの身長や体重、生年月日、交友関係などすべてを知りたかった。
ぶつ切りの情報だけじゃなくて、「ドイツがなんでその行動をとったか」という行動原理や感情の動きも知りたい。



世界に存在するすべての「ドイツ」を知りたい。それがわたしの「愛」だ。
自分の中に「ドイツ」を満たせば満たすほど、
なぜか安心した。



ちなみにドイツの身長や生年月日は、
ドイツの面積や建国記念日にあたる。
いつのまにかドイツに、
結果的には、世界史にめちゃくちゃ詳しくなった。


とうとう全国模試で世界史1位になった。
その際に「ドイツの建国記念日はいつか」というニッチすぎて誰も答えられない問題が出題された。
推しの誕生日が出題される幸せよ。
ひとりニチャつきながら、1月18日と書いた。



さて、本当はドイツより、プロイセンが好きだ。
ただプロイセンはベルリンの壁崩壊時にドイツに吸収され、もう存在しない。
亡国、プロイセンである。
エモいでしょ。


基本的にヘタリアキャラは国民の平均的な見た目をもとに作られている。たとえばドイツが金髪青い目なのはゲルマン民族だから。
プロイセンが白銀、赤い目という風貌なのは、
亡国だからというのがプロイセンファンの通説だ。

プロイセンの国旗
黒鷲……かっこよ


「プロイセン」

わたしにとってはもはや世界史を学ぶ理由になったほど、存在感が大きい。
でもプロイセンにそんな知名度がないこともちゃんとわかっている。
世界史を履修していない人にとっては、初耳の国名かもしれない。


説明しよう。 
いえ、させてください。


プロイセンはもともと聖マリア修道会を前身にしたドイツ騎士団という兵士たちの集まりで、国でさえなかった。

聖マリア修道会時代のプロイセン
引用


当時ヨーロッパは暗黒の時代と言われ、ローマ帝国時代に発達した文明が戦争ですべて消え去り、暗黒時代まっさかり。小国がいくつも起きては、消えていった。
でもプロイセンは消えなかった。


大国リトアニア・ポーランド連合からしぶとく生き延び、当時の宗主国スウェーデンから独立。
オーストラリア継承戦争でうまく立ち回り、やっと周りから国と認められた。
ドイツ統一という悲願をかかげて、
泥水を啜りながらも着実にヨーロッパ史での存在感を増していった。



プロイセンは、「名を捨てて実を取る」指導者に恵まれていた。

毒があり、見た目も悪魔みたいだと嫌われていたジャガイモを初めて食用にして、民を慢性的な飢えから救ったフリードリヒ1世。
工業化と軍事化を進めて軍国プロイセンを育て上げた「鉄血宰相」と名高いビスマルク(ビスマルクピザはこのおじさんに由来)。

ビスマルク時代にプロイセンはドイツ統一を果たした。

ドイツ統一の儀式を
フランスのヴェルサイユ宮殿で行う皮肉が強烈
引用


ドイツを統一したと思ったら、世界中を巻き込んだ世界対戦が2度も起きる。
その後、勝手に東西に分断されて。
ベルリンの壁が崩壊て、再びドイツ統一を果たす。同時にプロイセンという国は世界史から姿を消した──────────


ヨーロッパ史のリアル下剋上国家、プロイセン。
そしてドイツ統一という悲願を果たした後は、表舞台から消え去る運命。
それが叙情をそそる。
存在の儚さが美しい。愛おしい。
ファンたちは、プロイセンのたどる切ない運命を想い、愛を込めて「不憫プロイセン」と呼ぶ。




プロイセンが時代を走り抜け、
ドイツ統一という400年越しの夢を叶えたということを忘れない。
たとえ世界があなたを忘れても。

ドイツの礎を築いたプロイセン
引用




好きだと叫び続けた受験を終えて、
大学入学後すぐの夏休み、初めての海外旅行の行き先はもちろんドイツ。
大学で習い始めたドイツ語を早速使う。


ようこそドイツへ。飛行機が2分ほど遅れたようなので、ルフトハンザには厳しく言っておく。ドイツ名物のヴルストとビールは絶対味わっておいてほしい。

時間に細かく礼儀正しいドイツ

よう!もう俺様はいないが、フリッツ親父の偉大なる大発明カルトッフル(ドイツ語でじゃがいも)に感謝するんだな!ポテトうめえ!

昔の粗野時代が抜けないプロイセンの話し方に萌える


ドイツに着いたとき、脳内にドイツとプロイセンの声が聞こえた(妄想)

わたし、やっと、やっとドイツに来たよ───────────────────


ヘタリアで知った海外珍エピソードの答え合わせをしたり、
名物グルメを食べたり、
わたしの世界をめぐる旅はこうしてはじまった。



イタリア、イギリス、フランス....

どの国に行ってもはじめましてと思うことはない。見知ったヘタリアのキャラクターたちがあたたかくわたしを迎えてくれる。


チャオ!チャオ!はじめまして、ベッラ!
イタリアはいかが?ピッツァもパスタも最高だよ〜!

イタリアはご飯も天気もほんとに最高

お前、ようやく来たのか!ずっと待ってたんだぞ!メシマズ国家だなんて言わせないからな!!

帝国が各国から奪い取った美術コレクションが圧巻
予想以上にご飯がおいしくてびっくり

ボンジュール、マドモアゼル!
鉄の貴婦人エッフェル塔は見てくれたかな?
パリを楽しんでいってくれよ(💋)

目に映るものすべてが美しい
ケーキは宝石のように美しい



わぁ、やっと会えたね!
遅くなっちゃった。
ちょっと聞きたいんだけど、
ドイツ、ジャガイモ料理多すぎない?(笑)



世界を旅することが、わたしの聖地巡礼。


\お読みいただきありがとうございました/
引用

※左から日本・イタリア・ドイツ・イギリス・アメリカ・中国・フランス・ロシア



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