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企業広報バイブル #38 選ばれし人 

🎵日米のリーディングカンパニーで企業広報を統括して気付けば28年。IT系、インターネット系、不動産、エンターテインメント企業、広告代理店、流通業界トップ企業広報アドバイザーまで色々。かなりの私見も交えて色々書いてみようと思い立ちました、、、🎵

今日は大きな会社のお話ではなく、スタートアップのような会社のお話。私は今も、数社の若い社長さんが立ち上げた、俗にいうスタートアップ企業のサポートもしている。

私は、「社長業」というのは選ばれし人がやる、職業だと思っている。向いている、いないがクリアにある。選ばれし人、、本当に一握りの人が、その社長業に向いている人。誰しもキャリアの最初から社長だったわけではないけれど、会社で営業部門や経営企画部門、ファイナンス部門などで長年実績を積んできた多くの人たちの中で本当に一握りの選ばれた人が社長としての才覚を買われて社長のポストにつくのだと。そして、どんなに才能ある社長でも、キャリアを重ねながら育っていくのだとも感じてきた。ベテランの社長の仕事と新人の社長の仕事はやはり、百戦錬磨、、、

しかし、、まったく社会経験ないままに一芸に秀でて(素晴らしいビジネスモデルを確立して)会社を設立した場合は、最初は社員数も極端に少ない。社長、以下2人の社員(それもプログラマーだったりする)とアルバイト?なんてザラである。CFOの役割は社長、社員の採用面接からアルバイト採用に至るまで社長が関わり、メインクライアントとの打ち合わせは社長、、と一人何役もこなしていき、分業なんて全くできない。最初は組織なんて存在せずに、社長が何から何まで関わり決めることになり、経営者としての仕事ができない。

気づくと、中長期的視点で会社を俯瞰してみる人は誰もいない、状態になってしまう。がんばってやらなければ、という思いの中ジレンマに陥る。でも、社長業を選んだのだから、自分は選ばれし人だと信じて欲しい。

組織はある程度の規模になったら、徐々に切り替えていかねばならない、、、

難しいケースとしては、
今までの癖が抜けず、社長、以下全員10名並列という横にだけ広がった組織になってしまうケースである。相変わらず全ての動きに社長が関わり、社長の決済なくしては何も動かなくなる。社長がインフルエンザになると会社はパニック、自分がどこまでを判断していいのかわからない、とみんな困る。

社長、以下全員並列、という組織もそれなりに流行りだったりはするのではあるが、、それにしても、プロジェクトごとにチーム、責任者、という組織がないと上手く動かないと思う。

そして、徐々に、社長は自分とベクトルが合う人、マネージメントを育てて行って欲しい。どんなに優秀な人を採用しても、ベクトルが合うとは限らないから(最初からばっちり会う人はいないと思う)。「こんな時、社長だったらどちらを選ぶだろう」と考えて物事を決めていってくれる人。ある大会社の社長は「僕の1番の仕事は、部門の責任者の面々とのベクトル合わせ、だよ。丁寧に時間をとり、彼らとコミュニケーションを重ね、僕の考え方を伝えていく。そこが上手くいけば、僕でなくとも彼らに任せて部門を動かしていけるからね」と。

私も社長業はやったことがないが、7社7名のそれなりの規模の会社の優秀な社長のすぐ横で仕事をさせてもらった(意外と広報って社長の裏の顔も表の顔も見る職業である)。本当に密に話をしながら、社長という職業がどれほど尊敬すべき大変な職業なのかを見てきたつもりである。どの社長も、それぞれ全く個性は違えど、素晴らしい社長であった。と同時に同じ山に登るにも社長が7名いれば其々の考え方や信念も異なり、7通りの登山道があるのだとも見てきた。尊重したいよね、敬意をもって。

どんなに若い社長であっても、いつも私は、「社長はどうしたいですか?」と聞く事にしている。考えを聞き、やりたいことを聞き、考えに沿ったサポートをしていきたいと思う。また、時として、それもありだけど、こんな道もあるかもしれない、という今までの経験に沿って話をすることもある。

「でも僕はこの道を選びたい」と言われたら、「いきますか!」となるのではあるが🤣 企業広報という職業も、社長を理解することから始まるから。


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