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世界に一つだけの菓子に自信を持ちたいという話

ぼーっと生きてることが多いので、よくものを忘れます。傘とかボールペンとか、傘とか傘とかボールペンとか。


電車移動が多いのでとにかく傘を忘れます。
高価な傘なら忘れないよ、ってよく言われるけど何事にも例外はつきものでして。

ボールペンは忘れるというより消えます。
消え失せるんですよ、なぜか私の手元から。
神隠し? 

ものを大事にできないんだなあ、と反省する所存です。服は同じものを10年ぐらい着てるけど、それとこれとは別なんです。

傘とボールペンに共通することは「ある程度替えがきいて、どこにでも売っている」こと。


忘れたら、また買えばいい。


そんな心構えでいるつもりはないのですが、深層心理では油断があるのかもしれません。


では、世界に一つのオリジナルなら忘れないのかと聞かれると、それも怪しいもんで。


私は自分が作ったケーキを忘れたことがあるのです。しかも2度も。


最近やらかしたのは、電車の中で。
その日はケーキ教室でケーキを作って、帰りに買い物もしたから荷物が多くて。



帰宅ラッシュの混雑した車内で、箱に入ったケーキを斜めにならないように持つなんて不可能。仕方なく網棚に載せました。
もちろん「降りる時、忘れないようにしなきゃ」と強く思いながら。

でも、忘れるんだ、これが。笑



その電車は終点が伊東でした。
イトウに行くならハ・ト・ヤ♪の伊東。
私のレモンタルトも温泉にでも入ってのんびりしてくれたらいいんですけどね。



もう一つは去年の5月。

我々夫婦とわたしの両親・兄で、日光に旅行に行った時のこと。私は手作りのシフォンケーキをお土産にしました。

暑かったので車に入れっぱなしにするのは心配で、華厳の滝に行く時も中禅寺湖に行く時もケーキを持参。


電車に乗るわけじゃない。
肌身離さず持ってりゃいいだけのこと。



忘れることはないわい!

その油断がいけなかったようで。

日光の老舗、金谷ホテルでお茶をしたとき、どうやらケーキを忘れてしまったのです。

「どうやら」と書くのは、忘れたという確証がとれなかったから。

私は翌日にもう一度ホテルに行って直接聞いたのです。


入り口すぐに、ドアマンと思しき男性が立っていました。

「すみません、昨日こちらに紙袋に入ったシフォンケーキの忘れ物ってなかったですか?」

と私が聞くと、ドアマンは即答で答えました。



「申し訳ありませんが、そのようなものはありませんでした。」



え?即答、即答なの?
誰かに聞くとか、確認するとかないの?!
あなたはホテルのすべての忘れ物を把握しているってこと?それが老舗ホテルのドアマンってものなの?!


いろんな気持ちが頭ん中をぐるぐるしつつも、流石に「そんなはずありません!もう一度ちゃんと探してください!」とは言えず、素直に引き返しました。



でも、でも…
そこしか考えられないんだよなあって
今でも思っちゃうんですよね。






それにしても、こんなに自分が作ったケーキを失くすのは、わたしの根底に「自分の作ったケーキなんて大したことない」っていう気持ちがあるからなのかもしれません。



こんなに一生懸命やって、料理を仕事にまでしてるんだから、そろそろ自分に自信を持ってもよかろうよ!自分!と思います。



そしてまた懲りずに、母のためにシフォンケーキ作ったから、今度こそ自信を持って渡したいものです。


世界に一つだけの菓子を。

作ってる途中。(撮るの忘れた)




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