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歩いたり、バスに乗っていたり、コリスと話していたり、本を読んでいたり、カフェで珈琲を飲んでいると「ふと思う」。まだまだある。書いていて気づいたが、私はよく「ふと思う」生き物だ。ふと思ったことを忘れぬように書き留めるか、その場で実行に移すよことを大切にしている。

その結果、今ここにいる。決して良いことばかりではない。あの時の自分、勢いあり過ぎただろう、と思うこともある。あちゃーなこともたくさんある。それでも、まあいいと思う。過去の選択を変えることは、できないのだから。

ふと思う、ってなんなのだろうか。もやもやとしていたものが解決される瞬間だろうか。例えば、これまでの恨みつらみ、腹が立ったこと、心の奥底に眠らせていたこと。ことあるごとに、引き出してきては相手も自分も苦しめていたことを手放してもいいと思える瞬間がやってくる。なぜ今?と不思議に思う。

ふと思う、までに長い年月を経てきた。怒りが自分を支えていたのかもしれない。自由になるために闘っているつもりだったけど、最後に自分を縛っているのは、自分が大事に抱えている怒りだったのかもしれない。

本当の自由は、怒りにも支配されない。力で勝ち取るものではなく、自分自身がなにものにも縛られずにいること。自由でいるために、あれもこれも必要だと抱え込んでいたのかもしれない。抱え込んでいる自分をようやく外から見ることができた。そのヒントをくれたのは、コリスだった。怒っている私を見たコリスの眼差しが、「ママ苦しそう」と言っているように感じた。コリスは言葉にしないけれど。彼女の眼差しで自分を見たら、苦しそうだった。

コリスを学校に送り出し、街に出た。道を歩きながら、ふと彼女の眼差しを思い出した。そして、もういいかと思った。怒りを手放すことが怖かったのだ。コリスが生まれて9年間、怒りが盾にもなり、槍にもなっていた。

簡単に手放せるものならばとっくに手放していただろうか。でも今日、ふと思ったのだ。今日のこの瞬間を大切にしたい。


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サオリス・ユーフラテス|正しい道より楽しい道を。最短距離より,寄り道を楽しんで。
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