のぞみ118号『隣人の愛を知れ』
家のベッドで迎える朝は「あとちょっと……」と一秒でも長く布団にくるまっていたいのに、旅に出ると余裕のある朝ごはんどころか朝風呂や朝散歩に行きたくなるのは、なんでだろう。
一日のなかで一番好きな時間は夕暮れどきだと胸を張って言えるのに、旅先ではどんな夕焼けよりも朝焼けを追ってしまうのは、なんでだろう。
日常も、旅も、どちらも愛おしくてたまらないのに、日常のわたしと、旅先のわたしは、どこか違う人のような気もする。どちらも、同じ「わたし」なのにね。
どちらのわたしも全力で抱きしめてあげられるように、どちらのわたしにも偽りないように、大きく息を吸える選択を、してあげられているかしら。
「今から帰るね」
とLINEをしたら
「ご飯はどうする?」
と返事が来た。
ヘロヘロで空腹感なんて全然感じていなかったのに、その瞬間どっとお腹がすいてきた。
そういえば、この人から「ご飯はどうする?」と尋ねられるときは、いつも名古屋駅あたりのような気がする。名古屋からヨコハマまでも、名古屋からヒョーゴまでも、2時間くらい。
ちょうど、旅から日常へと戻っていく狭間のとき。旅に出たいと思える理由があることも、帰りたいと思える理由があることも、やっぱり、どちらも愛おしい。
んだものね。
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