【霜降】霎時施(こさめ ときどき ふる)2022
先週、はじめて自分の先生以外の方が主催するお茶会に参加したら、先生がお会いする知り合いみんなに
と紹介してくださるもんだから、次のお茶会へのハードルがぐんとあがっています。今年はわたしのお教室でも、例年通りの炉開きと初釜をすることが決まっていて、その両方でお役目もいただいているので、なおさら。
そんなわけで、「ちゃんと、日々のお稽古をアウトプットして自分のものにしていこう」と思い直したので、お稽古の記録をまたつけていこうと、今、noteの投稿画面を開いています。
10月は、お茶の世界では区切りのひとつ。11月7日の立冬を機にお湯を沸かすための風炉が炉に変わるため、11月からはお点前がぐっと変わります。
今お稽古をしていただいている四ヶ伝という口伝のお点前も、「風炉」の場合と「炉」の場合で道具の扱い方が変わってきます。そのためこの「風炉」のうちに四つのお点前をひととおりさらっておこう、と日々のお稽古に励んできました。
今日は、四ヶ伝のうちの「茶通箱」というお道具を使ったお稽古。
他の三つのお点前はお道具がメインとなるお点前ですが、この茶通箱はお茶がメインとなるお点前で濃茶を一碗で二服点てるお点前です。
お友達の家に行くときに「お土産を持っていく」のような感覚で一服目は亭主が用意したお茶を、二服目はお客様が持ってきてくれたお茶を点てるお点前になっています。
一服目は普通に濃茶を点てて、お正客さんの「いま一種のお茶を」のひと声で二服目のお茶を点てます。このとき、帛紗を「パン」とチリ打ちするのですが、その音の心引き締まること。
お茶って、お水だったりお湯を汲んだり、お湯を沸かしたり、柄杓を蓋置に置いたりと、いろんな動作のタイミングでとにかく「音」を楽しむ文化をもっているんだなぁと常々思います。
聴覚障害者のわたしにとってそれら全ての音を「聞けているか」というと、多分そうではないんだろうなとは思うのです。それでも先生は「今の音、良かったですよ。」と言った後に必ず
と、音の情報と同時に得られる視覚的情報や触覚的情報を必ず教えてくれます。
それだから「あぁ、今は良い音が出なかったな」とか「これは、成功したのでは⁈」というタイミングで先生の表情を見ると、だいたいそれがハズレなのかアタリなのかが見えてきて。
こうやって、手だけでなく身体全体の神経を尖らせながらお稽古をした帰り道はもうヘロヘロになってしまって、覚え書き程度のメモをするだけで精一杯なのだけれども、それはお道具の名前とか手順であって。
そのときに感じた感覚とか気持ちはこうやってnoteに残しておかないと忘れてしまうので、大切に紡いでいきたいなと、そんなことを思いながら今日は帛紗を「パン」っと鳴らしました。