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脳内劇場版狐が火を付けた話
物語
小さな怪奇現象
(昨日の続き)
「ん、それではこれは付け火であるというのだな」
「失火ではない、と」
朝の光がぼんやりと部屋の中を明るくし始めている。
焦げた煙の臭いが満ちているのは昨日火事を出した男からまるで煙が立つように臭いが放たれているせいである。
その男、祐光はただ「左様でござります」とだけ言って頭を下げた。
耳の後ろにまだ少し煤が付いている。
祐光の前にいるのは館の、今でいう総
午前2時の大きな古時計
小さな怪奇現象
「大きな古時計」のメロディーが流れた。
ぼんやりと目が開くと部屋の中は薄暗く
街灯の光でいつもの寝室の様子がぼんやりと見えている。
ぴーぽーぽぽぽー
「大きな古時計」のメロディーが繰り返される。
枕もとの携帯を手に取ると午前1時56分・ほぼ丑三つ時…
なんでこんなタイミングで鳴るんだよぉ…
イヤだなあ
なんでこんな時間に
イヤだなあ
薄暗い真夜中の部屋に
「大きな古時計」のメロデ