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あたりまえの日常を手紙に

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わが子が15歳になったときに渡す手紙です。
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2020年1月の記事一覧

#10 新しい世界へのドアを手に入れて

#10 新しい世界へのドアを手に入れて

(4歳の娘が15歳になったときに渡す手紙です)

「パパ、いりくちって書いてあるよ。こっちから入ろう」

君は、最近ひらがな読めるようになってきました。まだ、「わ」と「ね」や「め」と「ぬ」みたいに、形が似ているものが難しいようで、読めないものもあるけどね。

ひらがなが読める、と自信を持った君は、街にある看板やお店の中で字を見つけると、大きな声で読もうとしています。多少の間違いなんて気にしてません

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#9 自分の気持ちを言葉に乗せて

#9 自分の気持ちを言葉に乗せて

(4歳の娘が15歳になった時に渡す手紙です)

君は今日、夕方の帰り道、電車の中で20分以上、ワンワンと大声で泣き続けていました。もちろん、周りの目を気にすることもなく、眠さと空腹で泣き始めたものの、途中からなぜ自分が泣いているのかわからなくなったようでした。

周りの目を気にせずに、自分の感情や欲求を泣くことによって表現するのは、幼稚園に通う、この時ぐらいでしょう。15歳になったら、人前で泣くの

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#8 自分だけの世界を大切に

#8 自分だけの世界を大切に

(4歳の娘が、15歳になった時に渡す手紙です)

最近、君は一人で物語を作って、一人で話している時間が増えました。

お人形はもちろん、粘土で作った動物。ボール。なんでもお話の中に登場人物にしているようです。いつも母親が君に話しているようなことも話したりしています。「ここは、静かな声で話さないと怒られちゃうよ」とか。

周りの状況が理解できるようになってきたようで、自分はその場でどのように振る舞う

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#7 人生にリセットボタンはありません

#7 人生にリセットボタンはありません

(4歳の娘が15歳になった時に渡す手紙です)

坂道を登って、神社に参拝に行こう。
そう決めて、家族でお出かけ。

最初は、どんな道も意気揚々と歩いていた君。
予想通り、10分ほど経つと「疲れた」と泣き出してしまいました。今日はたまたまお菓子を持ち合わせていなかったので、通りがかったお店で、ペロペロキャンディを買いました。

昭和からある、昔ながらのグルグル模様の水飴。330円、なり。
君の顔の3

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#6 「なんで」と思う気持ちを忘れないで

#6 「なんで」と思う気持ちを忘れないで

(この文章は、娘が15歳になったとき渡す手紙です)

最近、君は「なんで」と聞くようになってきた。
いろんなことが不思議でたまらない年頃なんだね。
まだ因果関係とか、物事のつながりとかよくわからないと思うけど、疑問を持つこと自体素晴らしい。

そして、そんな君の質問を受ける私も、いつも楽しい気持ちになります。

そもそも君は、自分が言いたいことの30%くらいしか言語で表現できていない。旅行で来た外

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