#6 「なんで」と思う気持ちを忘れないで
(この文章は、娘が15歳になったとき渡す手紙です)
最近、君は「なんで」と聞くようになってきた。
いろんなことが不思議でたまらない年頃なんだね。
まだ因果関係とか、物事のつながりとかよくわからないと思うけど、疑問を持つこと自体素晴らしい。
そして、そんな君の質問を受ける私も、いつも楽しい気持ちになります。
そもそも君は、自分が言いたいことの30%くらいしか言語で表現できていない。旅行で来た外国の人と同じくらいの語彙かな。良い勝負。そんな君の話している内容を推測し、さらにその問いに答える。
これって思っている以上に難しい。例えば、「ねえねえ、なんで公園、こんなに高いの?」と問われる。これは、(今いる)公園は、なぜ(いつもの公園より標高が)高いところにあるのか。と質問している。
そもそも何を問われているのかわからない。きっと君自身もわからないのだろうけど。
でも、その答えの無い問い自体が貴重。たまに「公園ってなに?」みたいなそもそもを問う質問が飛んできたりする。これは、超難しいよ。4歳児にわかる語彙で説明するのは、東大受験より難しいかもね。
ご機嫌ナナメな君だったら、質問した後、私の話を聞いてくれない。会話が成立しないからね。
君は、今話が通じない大人や友達が近くにいるだろうか。ぜひそういったことで悩んでいたら、周りにいる4歳児と話をすると良い。童心に帰れる。
些細な言い間違いやちょっとした揚げ足取りなんて
全く気にしない。
わからないことがわからないと言えるって素晴らしい。いつの頃からか、私も「知らない」っていうことが恥ずかしくて質問できなくなっている。君も「なんで」って思ったら素直に聞いてみると良い。
「そんなことも知らないの?」っていうひとなんて気にしなくていい。その人はきっと、なんでも知っている完璧な人間なんだろう。(嫌味を込めて)
私は、知らないこと、わからないことがたくさんあることって、幸せだと思います。これから学んでいく楽しみが残っているわけですから。
私自身、君と一緒に学び続けている人間でありたいです。