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#8 自分だけの世界を大切に

(4歳の娘が、15歳になった時に渡す手紙です)

最近、君は一人で物語を作って、一人で話している時間が増えました。

お人形はもちろん、粘土で作った動物。ボール。なんでもお話の中に登場人物にしているようです。いつも母親が君に話しているようなことも話したりしています。「ここは、静かな声で話さないと怒られちゃうよ」とか。

周りの状況が理解できるようになってきたようで、自分はその場でどのように振る舞うのが良いのか、言葉にして話すことができています。一人で二役や三役をやると、質問と応答を一人でやることになります。しかも、どんな状況かも話すことになるので、相当な量を話していることになりますね。

15歳になった今は、君が独り言ばかり話していたら、ちょっと心配になります。が、4歳の時は、それが普通でした。自分の世界、自分が作る物語の世界があったんです。これから何が起こるのか、登場人物はどんな気持ちなのか、結末がどうなるのかも全て君次第。

この前、一緒にお風呂に入った時は、吸盤(グッと押し付けると壁にくっつくやつ。まだあるのかな?)を主人公にした物語を語っていました。吸盤さんが、イチゴの体を洗うスポンジに乗って冒険をする話。スポンジはバスだったようですが、水陸両方で、湯船の上もスイスイ移動してました。

「吸盤さんがバスに乗ります」と楽しそうに語る君。

今の君が同じようなことを話したら、バカにする人が多いかもしれませんね。空想で、現実的にはあり得ないことばかりを話す人は、信用されないのかもしれません。

しかし、自分の中にある世界、特に頭の中で描く想像やイメージは自由です。全てを他人に話す必要はありませんが、将来こんなことをやってみたい、憧れの人みたいになりたいな、という想像はどんどんして良いです。

もしかしたら、本当に吸盤さんが話をする未来になっているかもしれません。(その必要性が現時点では見つけられないけど)

想像力(創造力)こそ、人間の持っている素晴らしい力だと思います。私も君に負けないような、頭の柔らかい人間でありたいです。


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