ライブレポート『Vaundy@大阪城ホール』(前編)
22年、チケット戦線ほぼ全面勝利。
主宰かつてないほどの大幅な収支プラス、惜しむらくは乃木坂5期生の神戸公演を外したことでしょうか。さすがの競争率ですね、アイドル現場まではまだまだ遠い道のりが待っていそうです。とはいえチケット戦線納めとなるVaundy、年明けから始まる全国ホールツアーで弾みをつけアリーナツアーもやっちゃるというまさしく現代っ子の柔軟な感性。ディスではありません。
昨年フジの初日トリを初めて観た時の衝撃が忘れられず今回酔っ払った勢いで応募したところ、見事当選。元々彼の存在は数年前から知ってましたが、どうもスタジオ盤の音像がしっくり来ず長く食わず嫌い状態が続いていた。ところがライブ中継を目の当たりにして、その感覚は180度転換しました。彼の歌に心打たれたのは勿論、特筆すべきはbobo氏のドラミングで。
「曲に魂を吹き込む」とはこのこと。
無論、ドラム談義なぞ展開している泡沫noteですから54-71その他サポートワークス等もれなくチェック済。とはいえ長いキャリアの中でも特に氏の「上手さ」を体感できるのがVaundy現場ではなかろうか、というのが最近の持論であります。こちらの感触としてもうbobo with Vaundyくらいのつもりで聞いてしまっている、改めて楽曲個々の強度が高い事実を思い知る形に。
前述の通り、主宰は今ひとつスタジオ盤音源にしっくり来ておらず。ライブで目の当たりにする醍醐味みたいなものも、正直具体的にイメージできずにいた。ところが返す返すもフジであんなステージを繰り広げられてしまったものですから。先行シングルの豊富さからしても『strobo』以来となる新作アルバムの発売がそう遠くない未来必ずやって来る、観ておくなら今か。
クイズ、正解は1年後。
せっかくあり着いた舞台がまさか1年後の大阪城ホールとは思わなんだ、主宰が覚えている城ホール最後の舞台は確か幼き頃のディズニー・オン・アイスではなかろうかと。当たるはずのない星野源、乃木坂公演に挑み脆くも崩れ去った記憶。ゆえのプレリザーブ。アリーナツアーともなるとこの時期から入金する感じなんすね。来年の今頃、世界情勢はどう変わっているのか。
できる限り脂の乗った状態で、迎え入れたい。古参からすれば「napoli」で一段落したアーティストみたいなレッテルを貼られがちな彼に、むしろ主宰は今一番お熱になっています。それはひとえに心身共に噛み合っている感が非常に強いから、歌い込んだ名曲の数々と新たに生み出される才能とが絶妙にグラデーションしている時期だからこそ味わえる感動や興奮がある。
アンチテーゼと現在軸。
「東京フラッシュみたいな曲、また作って下さい」売れっ子に降り掛かってくる言葉はあまりに冷たく無機質で辛辣だ。クリエイティビティとはそんな呪縛を振り払い続けること。何も奇を衒えと言っているのではありません、身勝手なパブリックイメージでがんじがらめにされず「今を生きて欲しい」一回りくらい歳を食った世代からのエールです。
存分に「裏テーマ」を匂わせて欲しい。モシャモシャ頭も助かってか半覆面アーティスト的地位も確立、パブリックイメージなんてのは偶然の産物で。十二分に世間を掻き回せる逸材だと思いますので、あれこれ仕掛けて欲しい気持ちですね。図らずもまさか2年越しのライブレポが実現しそうですので急遽筆を執った次第です、当日は読者の皆様ともお目にかかれましたら。