📖連作短編集が読みたい
こんにちは。
まるでS字フックが上から章の数だけ繋がるかのような連作のお話が、私は大好きです。一見短編で分けて読むことが出来、実は関係している箇所に気づくと思わずハッとします。このおまけのような楽しみに惹かれてもっと連作短編集が読みたい!そう思って最近手にとった物語がいくつかあります。何れもラストではカーテンコールで出演者が並ぶような体験が出来る素敵な作品ばかり。その読後感もたまりません。
そこで、今回の週末noteは“今読みたい連作短編集”をご紹介。あなたのオススメはどんな作品ですか?
『スモールワールズ』 一穂ミチ 著
本屋大賞ノミネート中。第165回直木賞候補作。
第9回静岡書店大賞受賞。キノベス!2022 第4位。
とにかく話題のこちらの作品。各章ごとの色が多色です。予想出来ない展開にハラハラしたり底知れぬ人間の怖さを感じたりする心忙しき大人の連作短編集です。
先日、拙文ながら下の文章を感想としてツイートしたところ瞬く間に沢山の方から反応をいただき驚きました。それだけイマ読まれている作品ですね。
『さよならの向う側』 清水晴木 著
第5回未来屋書店小説大賞4位。現在重版5刷決定の話題作。
「あなたが、最後に会いたい人は誰ですか?」
〜亡くなった時、現世に戻り人に会える時間が与えられます。ただし会えるのは亡くなった事実をまだ知らない人だけ。〜
シンプルな設定かと思いきや深い心象が描かれ余韻が漂い、読後自分ならどうするかを考えました。ぜひ読んでいただきたい作品です。
『闇祓』 辻村深月 著
こちら厳密に言えば長編とも言えるのですが、独立した章がなんとも連結している作品です。
辻村深月さんといえば、吉川英治文学新人賞で死後の世界と現在を描いた『ツナグ』。家族の幸せを守れるのかを描いた『クローバーナイト』もかなりオススメの連作短編集ですが、こちらの『闇祓』は人間ならではの闇を描いた今読みたい深い物語です。
不快感を言語化した闇ハラスメントというワードが登場する時点でもう、怖いです。めちゃくちゃ怖いです。しかしそこは辻村作品。人の心を作者にしか出来ない表現でリアルに表し、ページをめくる恐ろしさはあるけれど基礎はしっかりミステリを踏襲しています。個人的には『凍りのくじら』や『噛み合わない会話と、ある過去について』を思い出しました。
語りたいことが多すぎて感想を短くまとめることが出来ずツイートしないまま今日に至ります。ぜひ体感してほしい一冊です。
『月曜日の抹茶カフェ』 青山美智子 著
もう、連作短編集といえばこの方!青山美智子さん。現在は1枚の絵画をめぐる物語『赤と青とエスキース』が本屋大賞ノミネート中。次々生まれるあたたかい日常を描いた物語が大好きです。
『月曜日の抹茶カフェ』の表示カバー装画はミニチュア写真家田中達也さん。世界観にぴったりですね。抹茶ラテを飲みながら12の章を味わって読ませていただきました。1章が短いため、普段読書をする時間が無いというあなたにおすすめの一冊です。
連作短編集と聞いてそうだあれもだ!と思い出す小説がいくつかあると思います。東野圭吾さんなら『ナミヤ雑貨店の奇蹟』など有名な作品が沢山ありますね。
500ページの超大作も、短編集のみも勿論好きです。それぞれの良さがありますね。そんな中でのマイブームは連作短編集。丁度今手元には青崎有吾さんの『早朝始発の殺風景』という小説があり読み始めたところです。
皆様が楽しい読書ライフを過ごせますように。
お読みいただきありがとうございました。
桜