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今読みたい重松清さんの作品@2023

こんにちは。
読書の秋、今週は縁あって2023年に出版された新しい重松清さんの作品を2冊読むことができました。
どちらも秋の夜長にオススメの作品です。心地よい文章にこたつのような温かい物語は、ネット閲覧になんだか疲れた私にぴったりの処方箋となりました。みなさまの本選びの参考になりましたら幸いです。


🏠🏠🏠


今読みたい家族と家の物語

率直に面白い。
これが端的な『カモナマイハウス』の感想である。
なぜいつも重松さんの作品を読むとこんなに落ち着くのだろう。大好きな『きよしこ』。国語の教科書には『カレーライス』。図書室には『小学五年生』。近年の映画化といえば『とんび』。私のいつもそばにある文学、それが重松清さんの文章。きっとたくさんの方の記憶に残る愛される物語が2023年にまた増えたことが嬉しい。嬉しくて伝えたくてnoteを書く。

読んだ直後の私のメモより


これはある家族と空き家の物語です。
そういえば、近所にありますよ誰も住んでいない古いお家。日本中に目を向けると想像以上に沢山あるでしょう。そんな家はこれまでどんな役目を果たしたのでしょうか、住宅販売のプロであった主人公水原孝夫が空き家再生を通じて自分の家族を見つめさらには個性的な人物たちと出会います。

この物語は元々連載だったこともあり、リズム良くトントンと私の心に入ってきました。登場人物がこれまた魅力的なんです。この情景が目に浮かぶいい空気感をあなたに伝える語彙力が欲しいです。子育てを終える世代にはど真ん中、思春期の学生さんにはもしかしたら新しい世界が見えてくるかもしれません。とにかく、ぜひとも今読んでいただきたい一冊です。


今読みたい作者の現在地

『カモナマイハウス』を読み終えたら文庫『おくることば』がお勧めです。
こちらは全編が小説ではなく、幕の内弁当でもなく箱は箱でも玉手箱です。

ラインナップはこんな感じです。

2020年のせいくらべ   講談社『Day to Day』収録の短編
夜明けまえに目がさめて 連載をまとめ加筆したもの
おくることば      早稲田大学ゼミ誌連載に加筆したもの
反抗期         書き下ろし
ステラ2021、星野先生の宿題  講談社『OTOGIBANASHI』より

主に感染症流行という時期が多くを占める記録に残すべきエッセイ的文章や、これぞ作者の作品とわかる素晴らしい痺れる短編が詰まった玉手箱。意気揚々と開けたら『カモナマイハウス』が完成したこともよく分かるおまけ付きでした。こちらは文庫のため、さらに手に取りやすくなっています。

『おくることば』は、今お気に入りの一冊です。



以上、読書ファンのみなさんに贈る推し本のご紹介でした。
機会があれば、あたたかいココアを入れてぜひお楽しみください。


お読みいただきありがとうございました。



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