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「愛だけが残る」 ナ・テジュ

今年、韓国の作家ハン・ガン氏がノーベル文学賞を受賞しましたね。私も韓国文学が好きですが、1番好きなのはナ・テジュ詩人の詩集です。

「愛だけが残る」ナ・テジュ /黒河星子 訳 (かんき出版)

この本は特に好きな1冊です。
人間関係で悲しい別れがありますが、ただ愛だけが残る別れもあります。既にその人は居なくて会えないけれど、愛だけが残っています。ナ・テジュ氏はこんなふうに書いています。

「ぼくがきみを」
ぼくがきみを
どれほど好きなのか
きみは知らなくてもいい

きみを好きな気持ちは
ただぼくのものだから
ぼくの慕う気持ちは
ぼく一人のものだとしても
満ちあふれるものだから

ぼくはもう
きみなしでも きみを
好きでいられる

ナ・テジュ氏の詩は、黒河星子さんの翻訳がとても好きです。言葉使いや漢字と平仮名のチョイスも絶妙です。翻訳が違うだけで味わいが変わるので、海外の詩は色々なバージョンで読んでみるといいですよ。

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