インテリアの仕事は触れることが大切 神秘を知る
写真はかなり古いカタログです。
マッキントッシュ、コルビジェ、フランクロイドライト….
今では有名な家具の一例
私が昔インテリアの仕事を始めたころに多く関わってきた、いわゆる’名作家具’ と言われる家具、
日本では80年代後半くらいから建築家デザイナーや当時’文化人’と呼ばれた人たちを中心に徐々に一般に広まっていった。
インテリアに興味があり関わる仕事に就きたい、インテリア業界に転職したいという方から問い合わせや相談をいただくことがあります。
インテリアという響きが、知的でクリエイティブなイメージ、または華やかでキラキラしたおしゃれなイメージを持って憧れる人も多いかもしれません。私も始まりはそうでした。
でも、どんな仕事もそうだけど、インテリアの仕事も、地味なことの積み重ね。華やかに見せるためには同じくらい地味な作業や雑務が、理不尽だったり嫌なこともたくさんある。
表向きの世界観を見る人使う人に夢を感じてもらうことに喜びを感じられれば仕事を続ける苦労も耐えられるはず。私はそうだった。
インテリア。今は、雑誌や本だけでなくあらゆる多くの情報から簡単に知識を得ることができるし、わざわざ海外に行かなくても、日本のギャラリーや美術館で、また素敵なショールームで、多くの家具やインテリア製品を見る機会も増えました。
おしゃれなインテリアを紹介する雑誌や本も増えました。
誰もがインテリアに詳しくなり、自由にSNS投稿したり評論する時代になりました。過去の誰かが考えた、行ってきたことを自分のものに置き換えることも簡単にできる。
溢れる情報。
ほんとうのことってどれ?誰?何が本物でどれがコピー?混乱するほどに。
情報をとることは楽しいですが、それだけで知識を得たことにはならない。
雑誌やインテリア本はプロたちが編集したもので、流行りを作り上げ消費に繋げようとするものが多く、
インテリアについて書かれた本も、良いものは少ない。良いものというのは、ほんとうのこと、ほんとうの経験から書いているということ。
今は多くの情報をかき集めれば、’最もらしいこと’が書けてしまう時代。
匿名の評論家のような人も多くいます。
専門的な勉強をしてこなかったけれど、まだ良く知らないけれど、インテリアの仕事に関わりたい、という方は、見るだけでなく、’触れること’ が大切だと思います。好奇心をもって。
できる機会があれば、触れて、椅子やソファなら座ってみたり、あらゆる角度から観察してほしいです。
そしてその感じた感覚を記憶して自分の考えを出し、積み重ねて行くこと。
実際使えればもっといいのだけれど、機会あるごとに ’触ってほしい’ です。
触れて知る ’神秘’ を体験して、自分に感覚を養い、自分の考え方を謙虚に持ってほしい。一流と言われるモノを心から尊敬する心を。
そして、できたら、インテリアに限らず、’売ること、接客’ の経験をすると良いです。モノと人に日々触れていくと、その関わりが見えてくる。人の生活がいかにそれぞれ違うか、暮らし方において、センスがいい悪いとか言い切れない、もっと大切なことがわかってきます。
クリエイティビティはこうあるべき、というようなことを良く言ってくる人がいましたが、基本は、流通がどうあれ、’販売する’ ことにあると確信しています。
私が最初にいた大手不動産会社、インテリアの会社カッシーナのイタリア日本の経営者(創業者)から ’ビジネスの基本は販売にある’ ことをその言葉を以て教えていただきました。そして日々そこを軸に考えて実行してきました。何十年と。初心忘れず。
人それぞれの生活からの’センス’があるということは、選ぶ人使う人が行き交う現場で出会ったお客様から教えていただきました。ホテルやモデルルームのような気取ったスタイリングではなく、そこに生活がある、成熟した真に洗練された暮らし方を。
続きます。
経験に基づいて少しずつ書きます。
読んでいただきありがとうございます。
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