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精神年齢がJKな話
私は今、アラサーと呼ばれる年齢だ。
世間一般から見たら十分に【大人】と呼ばれる年齢である。
しかし私の精神年齢はおそらく高校生くらいで止まっている。
私は物心ついた頃から、かなり大勢の大人に囲まれていた。
私の実家は地元で会社を営んでいたので、名前を名乗れば「あそこの家の子?」とすぐ家バレ親バレしてしまう。
家族と商店街を歩けば、知らない大人から声をかけられっぱなし。
学校では、先生から名前ではなく会社名で呼ばれていた。
そんな幼少期を過ごした私は、気付けばどんな年齢・立場の方でも全く物怖じせず、知らない人にも普通に話しかけられるようになっていた。
その反面、人と接する時は常に『きちんとしていなければならない』という意識がすごく強くなった。
特に知り合いのいる場では、無意識にものすごく気を遣っている。
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服に毛玉は付いていないか
メイクはヨレていないか
匂いは大丈夫か
1週間以内に同じ服は着ていないか
食べ方は綺麗か
美味しそうに食べられているか
背中は丸まっていないか
身振り手振りは大きすぎないか
表情は豊かか
瞬きするタイミングは適切か
相手の話を遮らずに会話できているか
相手を肯定するような返しはできているか
適度に相手の目を見ているか
相手の飲み物は足りているか
グラスはこぼれそうな位置にないか
相手の話について行く知識量はあるか
足りないところを今この場でどう補うか
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思いつくだけでもすごい数だ。
(多すぎて自分でびっくりしている)
おかげで好きじゃない人にまで好かれるし、人からの評価は演じた自分に対するものしか出てこない。(そりゃそう)
そしてその期待を裏切らないように努力を続け……という無限ループに陥る。
このような立ち振る舞いを続けた結果、私は【自分を創る】ことがとても上手くなった。
興味のないことに興味があるフリ
分かっているけど知らないフリ
好きじゃないのに好きなフリ
楽しくないけど楽しいフリ
やりたくないけどやる気のあるフリ
おそらく初めは意識的にやっていた。
気付いた時には、それが当たり前になっていた。
自分創りが上手くなった私は、本当の自分を出すタイミングが全く分からなくなった。
そもそも本当の自分すら分からなくなる始末だ。
自分が分からない話はこちらから↓↓
私は一体どこへ向かっているのだろう。
どうなりたいのだろう。
このままで良いのだろうか。
良くはないのだろうが、何がダメなのかは分からない。
更に自分の【好き】や【楽しい】を否定され、自信がなくなり、自分の気持ちが全く分からなくなっていった。
そのような紆余曲折があり、私は高校生くらいから中身が変わっていない。
どんな人とも『きちんと』話せるように、知識量と創られた自分だけは着実に増えていったが、
本当の自分は置き去りのままだ。
そんな状態の私が、自分を知ることはできるのだろうか。
いつか【大人】になれる日が来るのだろうか。
自分を知るまでの道のりは結構険しい。
迷子になったり、穴に落ちたり、突然引き返したり、地図にない道が出てきたり。
世の中の大人の皆様はこんな気持ちを通って【大人】になっていったのだろうか。
私が大人への道に踏み込む前、未知の領域すぎて漠然とした不安と恐怖心があった。
しかしいざ踏み込んでしまった今、何故だかなんとなくワクワクする。
凸凹の道に疲弊してしまう時もあるけれど、創られていない真っさらな自分を大切に大切に抱えて、【私なりの大人】への道のりをこれからもマイペースに進んで行きたい。