妹と娘にプレゼントしたい兵法書
『メンタル強め美女白川さん』獅子さん著
この本をご存じだろうか。
獅子さんがTwitter(@sisiccc)で公開中の漫画がぎゅっと詰め込まれている宝箱だ。
私が獅子さんの投稿を見たのは誰かのRTだったと思う。その日友達との待ち合わせ場所まで電車で30分くらい時間があった。
ちなみに私は電車に揺られている時間が好きなので、急いでいなければ好んで準急や普通に乗ったりする。
そのRTを見てから私は即座に獅子さんをフォローし過去の投稿を読み漁った。待ち合わせ場所についてからも即行で友達に勧め、帰宅後湯船の中で続きを読んだ。
湯船のお湯はぬるくもはやひんやりしてきたが読むのを止められなかった。追い炊き機能はない。一つ一つ自分の中にじんわりと染み込ませながらとても丁寧に読んだ。
恐縮だが簡単に本書の内容を紹介させていただくと、美人がゆえに様々な嫌がらせ等を受けるがめげずにマイペースに突き進むメンタルダイヤモンドの白川さんと周囲の人たちのちょっとしただけど考えさせられる日々のお話。
白川さんの個人的なビジュアルイメージは美人百花。
人それぞれ好みはあれど絶対に「美人」にカテゴライズはされる人。
そして元がいいだけでなくて自分磨きを楽しく頑張れる人。
そんな白川さんは美人がゆえに追い風だけでなく向かい風もビュンビュン吹いている。
でもどんな向かい風が吹いても吹き飛ばされたりしゃがみこんだりせずHOT LIMITがごとく笑顔で立ち続けている。
例えば職場の先輩とのこんなやり取りがある。
先輩「白川さん入力作業終わった?」
白川さん「あと5分ほどで…」
先輩「そうよねぇ~まだよねぇ~いいのよいいのよ白川さんは桃姫さまなんだもん」(※白川さんの下のお名前は桃乃さん。)
何かしらのハラスメントで訴えることができるのではと思ってしまうくらいひどい言いぐさだ。安直な私は姫ハラしか出てこなかった。でも実際に姫ハラという言葉が存在するのであれば「私この間姫ハラされちゃって~ほんとやだ~」なんて新しいマウントの種になりそうだ。ハムスターも食わん。
しかし後日白川さんは、この先輩にまたお姫さま呼ばわりされて仕事を振られた時に笑いながらこう言う。
「いえ、やります。お姫さま、頑張ります♡」
そして定時までにきっちり仕上げてみせた。
いや~スッキリ。歴史ものの漫画でよくある何もできないお飾りの姫さまかと思いきや兵法や馬術等実は一通りマスターしてました的な展開。むねあつすぎる。かっこいい。個人的偏見だが白川さん女子高にいたらファンができたタイプなのではと思う。(さくらぎは女子高出身)ただそういうタイプの人も男性が混じった空間に行くと急に向かい風が吹くのもあるあるだと思う。
他にも白川さんはセクハラに屈さず、飲み会でセクハラに耐えないといけないならクビにしてくださいと言い放ったりする。
「私は我慢しませんセクハラに耐えるのは私の職務ではないので」
ここまではっきりいう度胸は正直私にはないが、行かないという意思表示をすることはマネしたい。
あと私が白川さんのマネを始めたことの一つに(たくさんあり書ききれない)
「私は『スキ』を伝える人になる」
ということがある。
芸能人に対するアンチコメントに対して白川さんは
「誰かを傷つけるためじゃなく幸せにするために私はこの人差し指を使うの」
と決意する。今まで私はおこがましいと思って芸能人や作品の作者の方にコメントはしたことがなくいいねが精一杯であった。でも白川さんのマネをして思い切ってコメントをするようになった。気持ちの押し売りかもしれないが、もし落ち込んだ時などにほんの少しの糧になれればうれしく思う。
ところで白川さんはかっこいいだけではない。優しい人でもあるのだ。
白川さんの会社には、先輩の町田さんと梅本さん、後輩の朝比奈さんこと林檎ちゃんがいる。
町田さんとのエピソードといばこれだろう。
「だってそんな失礼な人の美意識とか信用するに値しなくないですか?」
ブスとかデブだとかいう言葉に対して白川さんが町田さんにかけた言葉。
学生時代からこれらの言葉に傷つけられていた町田さんはとても救われた。
少し別作品の話になるが時間を越えて昔の自分ごと救われた話として、「三月のライオン」のひなちゃんと零くんの話を思い出す。この作品は原作アニメ共に素晴らしいのでぜひ見て欲しい。アニメと実写映画はアマゾンプライムに全てある。実写の零くん役はみんな大好き神木隆之介さんだ。
https://3lion.younganimal.com/
あとなかなかコスメカウンターに行く勇気が出ない町田さんに対してエールを送るエピソードも最高。
もしもホントに笑うようなBAさんがいたら私、そこのコスメ全部捨ててやる
コスメ大好きな白川さんが言うから余計にぐっと来る。
きっと町田さんと一緒に救われた読者がたくさんたくさんいるだろう。
梅本さんは自分では可愛げがないと思っているけどすごく可愛いひとだ。
松井くんは悪くないのだけれども松井くんのせいで白川さんに上手く優しくできない梅本さん。
レイトショーを通して距離が縮まる二人がエモい。
好きな人の好きな人に優しくできないのもそんな自分に葛藤するのも人間味があるし共感できる。
最後に林檎ちゃん。林檎ちゃんは学生時代にあまりメイクをしてこなかったために社会人になって困っていた。
陰でメイクが下手だと悪口を言われているのを聞いた白川さんは憤慨。
「あなた方は一度もお漏らしせずに大人になったんですかって話よ!!」
でも林檎ちゃんも本当にけなげで努力家で。
白川さんにメイク教えてくださいって自分で聞きに行く。
後日二人でデパコスデビューに繰りだしてるのが楽しそうすぎる。
読者はみんな白川さんとコスメカウンターに行きたくなる。
白川さんという人は与えられた辛さを強さと優しさに変えられる人なのだ。本当はそんな辛さなんて与えられない世界が一番いいのだけれども。
単行本発売以降にTwiterにて公開された白川さんの過去を思うと、ひねくれることも絶望することもできたのにそうしなかったことに拍手したいと共に抱きしめたくなった。
自分の信念に従って発言し行動する強さ、かといえばさらっとかわしてみせる軽やかさと柔軟さ、町田さんやりんごちゃんに対する温かさ。
女性である以上身に付けてほしい武器をたくさん持っている。
私にはもう表紙の白川さんが屈強な戦士にしか見えない。実写版キングダムのまさみ様こと楊端和と双子にしか見えない。
私は軽率に羅小黒戦記のムゲン様の女になったりまさみ様の女になったりしている。この記事もよければ読んで欲しい。泣いて喜ぶ。
改めて『メンタル強め美女白川さん』は友人や姉妹、娘さんへのプレゼントにぴったりだと思う。
本は誰かにもらうとより特別なものになる。
本の記憶とともに必ず贈ってくれた人を思い出し、その本を選んでくれた気持ちを感じて温かくなる。
特別なこの本を特別大事な人に贈ってほしい。
次作も大変期待しているし、白川さんコラボのコスメや香水がもしあったら絶対買うのになあと思っている。
人生のお守りをくださった獅子さんに感謝の気持ちを込めて終わりたいと思う。
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