【本】書こうとするな、ただ書け
原題「On Writing」というチャールズ・ブコウスキーの書簡集がある。
今回は内容ではなく、このタイトル。
中川五郎さんの訳で邦題が「書こうとするな、ただ書け」とある。
原題のインパクトも凄まじいが、この邦題はプロ、アマを問わず物書きにとっては宝のような言葉だと思っている。
「書こうとしていた」「書こうと思っていた」これは全て言いわけである。
書こうとするよりもまず。
思うよりもまず。
「書け」である。
それがどんな駄作となろうともそれがいかなる批判を浴びようともそれが世界の誰からも評価されなくたって、誰にも読まれなくたって、物書きはただ書くのだ。
文を書く人だけじゃなくて、絵を描く人、歌を歌う人など何らかの表現をする人はみんなそれぞれにただ「書け」「描け」「歌え」が最初にあるべきなのだ。
「上手じゃない」「訓練が足りない」「まだ早い」それは「書こうとした」と同じ言い訳だ。
やりたいことをただ一直線にやればいいのだ。
それをやり抜いた作家の言葉にはやはり凄まじい力があった。