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【現代詩】"20240907sat"の落伍者【自由律俳句】#16,#17

職業「旅人」
そんなふうに吐かすスカし野郎がいたなぁなどと思いつつ突然に近所の小山に登ろうと考えた。
このクソ暑い日に。

小山、というか歴史上の名所なのだけどダラダラとした石段が1000段以上もあって中学生の頃にでさえたしかひぃふぅいいながら登ったように記憶しているもはや中学生どころかおっさん中のおっさんしかも、万年運動不足のおっさんがなにしろ登ろうと思った。
まぁ歩いても1時間かそこらで到着するのだけど、石段登りの前にそのような運動をするのは無謀ということは流石に理解できてだから、ふもとまでは車で。

ひとまず「行けるとこまで行くチャレンジ」と銘打ってというか言い訳を含んだ宣言を妻に遺し出発。

10分もかからずふもとに到着。

地元の土産屋に併設された駐車場は、1500円分の買い物をすれば無料しなければ500円なので帰りに土産でも買うか、超地元だけど、なんぞと考えながらそそくさと歩き始める。


入り口付近

【自由律俳句】#16

登れるのか?

#15

いやいやあくまでも「行けるとこまで行くチャレンジ」だから。
         「命がけで達成するチャレンジ」じゃねぇから。

ゆっくりいくわゆっくり。

見た目上では急坂でもない。


周囲が石まみれ

運動不足のおっさんは、おっさん中のおっさんは、最初のカーブで息が切れる。
いやでも流石にもうちょい。
石段がゆるゆるとカーブをくりかえしながら足を前に出さねばならぬような景色を拵える。

あいかわらず見た目上では緩やかにしかし確実な傾斜で、ちょっと長い直線。


しんどい

【自由律俳句】#17

なんだこれここしんどいわ


景色はいいなさすがに、しかし海、潮が。

中腹ちかくまで登って目がちらちらしてきたので断念落伍。

なにしろサウナよりも発汗している。

さて下山。

帰路で、あ、腿が震える膝が笑う。

カーブを曲がり切るたびにあ、これ明日ヤバいかもと未来の苦痛を先取りする思考が。

大昔に登りそして下った時のことを思い出した。

これ、下り切って平坦な道になったときが危ないのだ、下りの動作に慣れた足が急に平地を踏むとね、コケる。

ゆっくりの上にもゆっくり。

うははー、汗がドバドバ膝がガクガク。

自販機でWILKINSONを買って飲みながら歩く、土産物屋なんぞ寄ってられっかアホタレ500円払うわ。

「帰りの運転気をつけてよー」と駐車場管理の爺さんが声をかけてくれることからも、挙動のおかしさが伺える。

職業「旅人」やかましいわ。

職業「落伍者」

いやしかし落伍して落伍して落伍しまくってそれでもいつか、頂上の本殿にたどり着けばその時。

職業「挑戦者」

でもおかしくはなかろう。

また来月。

毎週は無理。

毎週は無理!

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