ワクチンスキャンダルにワクチンパスポート...差別的?コロナワードを考える
Withコロナのこのご時世。
昔は耳にしたことのなかったような、「コロナワード」が世の中には増えてきています。
初めてブレイキングニュースで、「Vaccine scandal」という見出しを目にしたのは、今年初めのこと。
Vaccine Scandal ワクチンスキャンダル
とは、その名の通り、ワクチンに関する不祥事。
ワクチンの数が足りていない今、
医療従事者や高齢者、事情があって早急なワクチン接種が必要な人が優先的にワクチンの接種を受けられますが、
それより先に政治家や権力をもつ者たちが己の力を使い不正にワクチン接種をし、それが明るみに出て世間から反感を買う…
なるほど、こういった不正の類が増えるわけか、
となんとも言えない気持ちになります。
ヨーロッパでは、ポーランドの政治家の抜け駆け接種を皮切りに、
スペインの軍トップの割り込み接種、
南米でもペルーの公務員が順番をまもらず接種、など世界的にこのワクチンスキャンダルが広がっています。
また、最近になって登場したこの言葉にも注目が集まっています。
「ワクチンパスポート」
「グリーンパスポート」という言い方もあります。
ワクチン接種率が、現在世界一のイスラエルにおいて、
ワクチンを接種した人(コロナウイルスに対する抗体を持っている人)にのみに渡される「グリーンパスポート」なる証明書の発行がはじまったのです。
パスポート。キャッチーですが、なかなかワードとしては強いものですよね。
社会福祉が整っていることで知られ、
なんといっても欧州で初めて、ロックダウンに踏み切ったデンマークは2月上旬には「新型コロナ・パスポート」の発行を発表。
「免疫獲得済み」・「ワクチン接種済み」であることを証明するアプリを国民全員が使うようになります。
また、こういったパスポートの導入はアメリカでも検討されているそうです。
この証明書を提示すれば、ジムやナイトクラブ、イベント会場へ入ることができる、ということもあり、「我先にパスポートを手に入れよう!」と
必然的にワクチン接種のスピードが早まる仕組みが出来上がりつつあります。
(世界中の皆様は、私たち日本人が思う以上に外で行われるイベントや、ナイトクラブが大好きです。笑)
今は、国と国との移動の際にPCR検査陰性の証明が求められることが多いですが、
これに代わり「ワクチンパスポート」の提示を求められることが当たり前な世の中が来るのはそう遅くないでしょう。
ワクチンの安全性については正直わかりませんが、
ワクチン接種自体が進むことは悪いことではないと思います。
当然、自分自身も、その周囲にいる人たちも感染のリスクが下がります。
しかし、一方で
このパスポート(免疫獲得証明書)を持っていない人にとっては、
非常に生きづらい世界になるともいえます。
なんらかの身体的事情や、考え方で、ワクチンを受けられない人、受けない人は必ず出てくるはず。
感染拡大が抑えられるという一方で、
ワクチン差別が生まれる、との意見も上がっているようです。
子供達の間で、「おまえはワクチン接種してないのかよ!あっち行け!」なんていじめや差別が広がったらと想像するだけで悲しいですね。
もともと、フランスではコロナをきっかけとした差別が増えています。
増えているのか、もともとあった物が明るみに出たのかわかりませんが、
アジア人差別(中国人狩り、アジア人狩り)といった物も確かに存在します。
未だに、コロナはアジア人の病気、なんて思っている人も少なくありません。
一方で。
コロナはアジア人にはかかりにくく、黒人はかかりやすい、といった仮説が立てられたりもしており、真偽不明の様々な憶測も呼んでいます。
人間は不安になると、悪者を作りたがります。
(と、フランスのキャスターが言っていました。)
コロナをきっかけに生まれた、
新たな言葉やスタンダード、
それによって生まれる差別や生きづらさ。
コロナウイルスは私たちの暮らしや価値観にまで、大きな影響を与え、
今後、どうなってしまうのだろうと誰もが不安を抱いています。
そんな時代の中で、日々次々と生まれてくるであろう、
新たなコロナワード。
差別を助長したり、誰かを傷つけるような言葉ばかりが広がらないことを
願うばかりです。
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