秋の気配の匂いがした
好きな季節、冬。
好きな時間帯、真夜中から朝日が昇るまでの静かな時間。
好きな星、月。
好きな飲み物、ドリップコーヒー、もっぱらアイスで。
好きなもの、花とかレースとか、あと透明の何か。
世界は好きで埋め尽くされてる。
だけどやっぱり好きは偏る。
いい匂いの花、花瓶に挿して窓辺に飾る。
冬はまだ先な夏の終わり、夕暮れのオレンジが柔らかい。
カフェで買ったコーヒー片手に、もう片方はナッツチョコレート。
齧りながら本を読む。
時計の秒針がゆっくりすすむ。
半透明の三日月が、静かに街を眺めてるのを、横からそっと眺めてる。
明日の天気、晴れ時々こんぺいとう。夢のあじがするらしい。
食べたことないけど。
来年の天気、曇りのち、めんつゆ。流しそうめんの季節には遅い。
小さい頃飲んだらしい、覚えてないけど。
好きと好きに囲まれて、のんびり穏やか時間を過ごす。
私の好きは溢れていてかけがえのない。
夢ばかり見て、退屈のない。
レースのカーテンから差し込む光が好きだ。
少しだけ開けた窓から入り込む風とダンス。
風が運んだ外のにおいが、ふわっと香る。
秋の気配の匂いがした。
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