【詩】みかん
ダンボールの中
触っただけで
美味しい
美味しくないを
見分けられる大人
子供の頃
ダンボールの中
口にすることなく
美味しい
美味しくないを
見分けられる大人に憧れた
やっと
美味しい
美味しくないを
見分けることができる大人に辿り着く
けれどその途端
憧れを身につけた傲慢さが邪魔をして
手を伸ばすことの煩わしさに
ダンボールの底
腐っていることにも気づかない
愚鈍な大人になってしまった
ダンボールの中
触っただけで
美味しい
美味しくないを
見分けられる大人
子供の頃
ダンボールの中
口にすることなく
美味しい
美味しくないを
見分けられる大人に憧れた
やっと
美味しい
美味しくないを
見分けることができる大人に辿り着く
けれどその途端
憧れを身につけた傲慢さが邪魔をして
手を伸ばすことの煩わしさに
ダンボールの底
腐っていることにも気づかない
愚鈍な大人になってしまった