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リファラル採用に1年間全力で取り組んだ結果、ものすごい変化が起きた話

こんにちは!
セーフィーで採用担当をしている井口です。

昨年セーフィーでは、社員の友人知人の紹介による採用、いわゆる「リファラル採用」について全社を上げて本気で取り組みました。
その結果、リファラル採用数においては、目標値の2倍を上回る240%達成を実現することができました

今回のnoteでは1年間の集大成として、そもそもなぜこの取り組みを始めたのか、リファラル採用で成果を出すために、実際にどんな取り組みを行い、どのように変貌したのかをまとめました。
また、上手くいったこと、逆に失敗したことなども、少しでも読んだ方が参考になるように赤裸々に書いております。
皆さんにとって少しでも参考になるようにと思い、かなり気合を入れて書いたので、少し文字のボリュームが多くなっていますが、ぜひ最後までお付き合いいただけると幸いです。

本記事は、
・リファラル採用で何をやれば良いのか困っている人事や経営層の方
・社内でリクルーターとして採用に関わっている方

といった方々に向けて書きました。少しでも参考になれば嬉しいです!

リファラル採用の目的

そもそもセーフィーがリファラル採用の強化に取り組んだ理由ですが、以下の課題を解決して事業成長に大きく貢献したいという思いが根底にありました。

採用経路の分散

セーフィーでは、毎年年間100名以上の人員を採用していますが、そのうちの年間の採用経路に占める人材紹介会社(※以下、エージェント)経由の割合が7割以上でした。エージェントは採用の上で重要なパートナーではありますが、やはり採用コストが莫大で、かつ年々増加傾向であるため、採用経路を分散化することでコストを抑える必要がありました。

社内の意識

セーフィーでは、組織規模が拡大するに連れて、採用を行うのは人事の仕事という意識が一定数あるように感じていました。採用がうまくいっている会社は、事業部や会社全体としての採用にコミットしている会社が多く、セーフィーとしても全社をあげて採用に取り組む必要があると思っていました。

潜在層へのアプローチ

これまでの採用活動は、前述した通りエージェントからのご紹介が多く、転職顕在層へのアプローチをメインにしていました。しかしセーフィーが求める人物は引く手数多ですし、日本の労働人口減少に伴い求める人物がより少なくなっていくことを考えると、今後は転職顕在層だけでなく転職潜在層へもアプローチをかける必要があると考えました。

リファラル採用におけるメリット/デメリット

セーフィーにとってのメリット

私が思うセーフィーとしてリファラル活動を行う上でのメリットをご紹介します。

①マッチング精度の向上
 「類は友を呼ぶ」とよく言われますが、優秀な人の友人は優秀という考え方のもと、会社に合いそうな方をダイレクトにアプローチ出来る点が一般的にもメリットと言われています。
 セーフィーには以下の画像の通り、7つのカルチャーが存在しています。もちろん職務スキルが高い方が入社してくれることは良いことではありますが、前提として7つのカルチャーに共感出来ない(カルチャーフィットしない)方は会社としても本人としても成果には繋がりにくいため、選考の上でも大事な基準としています。セーフィー社員の友人知人の方はカルチャーフィットする方の割合が高く、なおかつ入社前と入社後で連絡を直接取りあえる関係性もあり、入社いただいてからもお互いにミスマッチのない採用に繋がり、マッチング精度が向上すると考えています。

7つのカルチャー

②採用チャネルの分散
 エージェント、ダイレクトリクルーティング、自己応募、リファラル採用など幅広い採用チャネルから母集団を獲得できる状態が理想の状態であると考えています。リファラル採用は、採用経路の中でもコスト負担も比較的少ないため、持続的に採用活動を行う上で一つの重要な採用チャネルであると言えます。

③事業部主体で採用できる
 リファラル採用で採用を行う場合は、自分のチームに必要な人材という目線で考えて人材を探すことができるため、事業部で採用が進められる利点もあります。仲間探しを自分たちで行うことができるため、事業部が主体的に取り組むことができ、「採用=人事」ではない構造で採用を行うことが出来ます。

④転職潜在層にもアプローチ出来る
  中途採用の場合、エージェントや自己応募などは、基本的に転職を考えている層が対象となります。リファラル採用であれば、特に行動していないものの転職しようか迷っている方や、友人知人の中で転職は考えていないけれど単純にセーフィーに興味をもってくれた方など、転職を積極的に探していなくてもアプローチすることが出来ます。
また、選考中に他社と迷っている方のフォローを行う手間を考えても、転職潜在層の方であれば選考中のフォローが比較的少なくて済みます。

セーフィーにとってのデメリット

デメリットというほどでもないですが、やはり推進する上で大変なことや、気を付けるべきことがあります。

①紹介いただく紹介者(以下、リファラー)の手間が発生する
 リファラーの中でも、普段から社外の人と会っている人ばかりではありません。日常業務に追われている中で新しい人と出会う機会を増やしたり、SNSで会社のことを知ってもらう投稿をしたりするのは容易ではないことかと思います。さらに、「友人を紹介して選考で見送りとなったら気まずい」という気持ちを抱いている方もいるため、リファラーに対する紹介後のケアが重要となります。

②会社にとってのハレーションリスクが存在する
 中途採用の場合は、前職の同僚方や取引先などで繋がりがある方を紹介いただくケースも多いかと思います。しかし、会社によってはリファラルで関係会社へ行くこと自体を良く思われず、引き抜きだと思われてしまう場合もあり、結果として関係性に影響を与えるケースもあるかと思います。
 その場合は、もちろん候補者本人の職業選択の自由を尊重しつつ、会社同士の信頼関係も大切となります。

③誤ったイメージを持たせない工夫が必要となる
リファラル採用自体は前段で上げたようにメリットの大きい取り組みですが、“コネ入社”や、”ねずみ講”など間違った悪いイメージが社内に伝わってしまうとリファラル採用の促進は進まなくなってしまいます。

1年間で取り組んだこと

1年間の目標

今回は、「リファラル採用」の年間採用比率を2022年では12%だったものを、2023年では20%と、かなりチャレンジングな目標を設定しました。
実際にこの目標を達成するため、以下3つのKPIを定めました。

  1. 一人当たりの紹介数を増やす 

  2. 紹介社員数を増やす 

  3. 採用決定率を維持する

各KPIの昨年実績と目標値

リファラル戦略の策定

上記の目標を達成するため、今回リファラル採用の戦略を立てる上で、本で紹介されていたリファラル戦略※を参考に、目標達成までの方程式を定めました。
下の図のように3つのKPIを立てることで実際にやるべきことを構造化しました。下はその図です。

※参考資料:「採用に強い会社は何をしているのか」著者 青田努

上記を踏まえ、目標達成するためには、何をすべきなのかをリファラル採用企画メンバーでブレストしながら、整理していきました。1〜7のカテゴリーで、どのような状態がゴールで、どのような施策を実施すればゴールが実現できるのかを考えました。

例えば、単純にリファラルイベントという施策を単発、かつ思いつきで実施するのではなく、そのイベントによって何を達成したいのか、そのためにどのようなKPIを置くべきなのか、この施策は方程式のどの部分に効いている施策なのか、などを構造化して考えていきました。

施策を実行する上での考え方

私たちは施策を実施する上で下記の2つの考え方を大切にしました。

①候補者とリファラーの両者がハッピーになる施策にする
リファラル採用は必ず候補者とリファラーの両者がいて成り立つ企画のため、両者のCX向上を意識して対応する必要があります。通常の選考だとCX=候補者体験かと思いますが、リファラーの体験を考えずに候補者目線だけで考えてしまうと、リファラーからの紹介は1回限りとなり、結果的に中長期での紹介数増加に繋がらない結果となってしまいます。

②最初はターゲット層を絞って推進活動を行う
 最終的には、社員全員が採用を自分ごと化してリファラル活動に積極的に取り組めることが理想と考えていますが、最初から理想に到達することは困難であり、逆に全員をターゲットにすることで施策も薄まってしまい、結果的に誰も動かない結果となりうると考えました。
 そのため、まずは採用に興味関心が高い方に優先的に声かけすることを意識しました。例えば、職種に関係なく採用に興味を示してくれる方、日常的に求人を見てくれている方、入社すぐで選考自体に関心が高い方などにアプローチしました。
 社内の雰囲気や、求人のターゲット層、会社規模によって推進が進めやすい対象者は変わると思いますが、あくまでも今回はリファラル推進をイチから始める上で、積極的に採用に協力いただける方は誰なのかを考え、その方に紹介しやすい施策を打つことを意識しました。 

取り組んでみて良かった施策

実際にやってみて、良かった施策を3つご紹介します。

①新入社員研修でのリファラルに関するインプット
セーフィーでは、毎月10名程度の中途社員に入社いただいており、毎月入社後5日間は新入社員研修を行っています。主に社内各部門のレクチャーや、サービスに関する研修ですが、セーフィーにおけるリファラルの目的や制度について理解いただくとともにリファラルに対する温度感を上げることを目的として、リファラル研修のクラスを新たに組み入れました。

リファラル制度を一方通行で伝えるだけで終わるのではなく、セーフィーで一緒に働きたいメンバーはどんな人なのかを一緒に考えるワークなどを通じて、リファラル採用に興味を持ってもらう内容で、常に高い満足度を維持しています。
実際に、「この人に紹介したら良いんだ」という具体的な認識を持ってもらうことで、「紹介をしたい」といったSlackや、オフィス内での気軽な相談なども非常に多くしてもらえるようになりました。

②リファラルイベントの開催
セーフィーでは元々社内懇親会のようなイベントは頻繁に開催してきましたが、社外の人を交えてのイベントの前例はほぼない状態でした。そこで、社内イベントのような雰囲気が社外の人にも伝わったら良いなという思いがあり、私が入社して直後の頃からそんなイベントをやりたいなと思っていました。

そして今回、リファラル採用の担当として上記のような思いを実現すべく、実際に100名超えの大型イベントを開催することになりました。セーフィーとしても大型のリファラル採用特化型イベントは初となり、イベントのターゲットは来ていただくゲストだけではなく、社内のリファラーもターゲットとして考え、両軸を強く意識した上で開催しました。

ゲストの方には、セーフィーという会社や、社員の魅力的な人柄や雰囲気が伝わるようにコンテンツなどを設計しました。
またリファラーにとっても、自分が紹介した人がいきなり選考で落ちてしまうのではないか、という不安があって気軽に紹介できない方もいたため、「リファラルで紹介はしたことないけど、イベントだったら誘ってみようかな」と思ってもらえるよう、あえて採用っぽくないカジュアルなイベント設計にしました。

結果として、経営層含め紹介いただくリファラーの数が飛躍的に増え、実際に参加者からもセーフィーの良い雰囲気が伝わりましたというような非常にポジティブな声をいただくことが出来ました。
イベント参加者数も60名超となり、実際にそこからの入社決定は2名という結果となりました。

今後もこのイベントは継続的に実施していく予定です。
イベント当日の詳しい様子はこちらのnoteで書いていますので、是非併せてご一読ください。

③リファラル採用特化システム「MyRefer」の導入
 私は前職で、フィリピンで海外採用を行っており、そのときにはFacebook上の機能(おそらく海外限定)で求人を作成して、それを流したら多くの社員がシェアしてくれたり、Facebookを通じて応募してきてくれたりしてくれたので、日本でも同じように気軽に求人情報の閲覧やシェアできて、応募してくれる仕組みがあったら良いなと思っていました。
 また、「実際にそもそもどれくらいの社員が採用求人を見ているのか」「紹介に至らなかったが興味がある人は何名いるのか」という情報が分からないので、どこに課題があるのか見えづらいなどの課題もありました
 今回そのような課題を解決するために、リファラル採用に特化した「MyRefer」を導入しました。

MyRefer公式HPより引用

 他にもリファラル採用のツールはありましたが、上記の課題解決ができるシステムであると感じ、社内では多くの反対や懸念はありつつも導入に踏み切ることが出来ました。
 実際に導入してみると、それまで人事側でも把握できていなかった紹介まで至らないけど友人知人へアプローチしている社員が分かったり、リファラル限定の「カジュアル面談求人」を作ることで紹介のハードルを下げられたりしたことでリファラーの人数を増やすことにも貢献出来ました。
 とはいえ、まだまだ社員全員への浸透や、実際の活用方法など改善点は多々あるので、これからは今年以降での取り組みで随時改善していく予定です。
 また、リファラル採用に関するノウハウを提供してくれるため、リファラル採用の社外コンサルがついてくれるという意味でも非常に助かりました。

失敗した施策と反省点

上記の施策とは反対に、取り組んでみたものの上手くいかなかったこともありました。

他社のやり方をそのまま取り入れて展開する
 セーフィーはB2Bのサービス展開のため、一般的な知名度が低い点は採用において非常に不利であると言えます。そのような状況下で、リファラル採用が進んでいてかつ知名度の高い会社がやっている”施策”だけにフォーカスして同じように展開してしまうと、上手くいかないケースが多いことが実際にやってみて分かりました。
 その一例として、公募制の推進PJ活動をおこないました。他社では、事業部ごちゃ混ぜのPJ単位でKPIを立てて数カ月〜1年間で実施し、なおかつ成功していると聞いており、取り組み自体は素晴らしいものだと思っています。しかし私たちがやる上では、実施のイメージを社内に浸透させることが出来ず、また社員としてそれをやるメリットが不明瞭な状態でスタートしてしまい、施策として上手く回すことが出来ませんでした。
 「施策を真似る」のではなく「考え方を真似る」ことで、セーフィー独自の施策を実行していくことが、多少の労力がかかっても近道であるように感じました。
 この反省を活かして、他社がこうやっているのでこうしましょうとするのではなく、「なぜそうやっているのか」や、「それは社内で受け入れられるのか」「上手くいくイメージが湧くのか」など、頭の中でシミュレーションしながら、自問自答しつつ、メンバーとディスカッションする中で施策を企画するようにしています。

リファラル採用を推進してみた結果で見えたこと

数値面での改善

冒頭でお話した通り、リファラル採用に力を入れ、様々な施策を実行した結果、セーフィーのリファラル採用比率は24%(昨対比200%)を実現することが出来ました!

上記の最初にKPIで掲げていた3つの指標においても全て昨対超えをすることができ、通常は紹介数が増えると下がりがちな採用決定率においても、むしろ向上させることができました。
また、これまでよりも多くのリファラーの方々に紹介いただける雰囲気づくりを行うことができ、「完璧に」とは言えないもののリファラル採用を全社の文化として浸透させることができたのではないかと思っています。

改善点

 数値としてはかなり改善できたと思う一方で、まだまだ課題はあります。
職種によっては、まだまだリファラル経由での採用が出来ていない職種があったり、今回は中途採用をメインで施策をおこなっていましたが、新卒採用ではあまり施策を打てていなかったりという面もあります。
 また、リファラルをしやすくするという環境・雰囲気づくりにおいては、一層力を入れる必要があると思っています。今回は、採用に興味関心が高い方に優先的に声かけなどを行いましたが、今後は全社員にとってもリファラルしやすくするというテーマにおいてもフォーカスする必要があります。
これらの課題を2024年でもフォーカスしながら、取り組みを進めていく予定です。

最後に

1年取り組んだ感想

まず、大前提として今回私がリファラル採用の推進によって、結果的に目標達成できたのは私が良い施策を実行したからでは全くないと思っています。様々な施策を実行する中で、セーフィーメンバーのみんなで一緒に企画を盛り上げようという人柄の良さ、紹介された方が「xxxさんが言うなら、ちょっと受けてみようかな」と思ってもらえるリファラーの魅力、さらにはPJの協力体制があってからこその結果だと思っています。

前述したセーフィーのカルチャーの中に、「異才一体」というカルチャーがあり、様々なバックグラウンドをもった人と一緒に何か1つのことを成し遂げるという文化が、リファラル採用にもマッチしているのではないかなと思います。そんな「異才一体」のカルチャーに助けられたPJだったなと強く感じており、リファラーや、セーフィーメンバーには非常に感謝の気持ちでいっぱいです。

2024年からは推進活動の2年目として、今回上手くいった内容は活かしつつ、実行したことで見えてきた改善点はしっかりと改善していく予定です。

余談

ちなみに、リファラル採用を全力で取り組んでいただいた方を全力で称えることを目的に、年間リファラル表彰を先日会社として初めて実施しました。受賞者には、セーフィーオリジナルワイン&ワイングラスを賞品として渡しました。

各社リファラル担当者の方に向けたメッセージ

セーフィーは、結果としてこの1年間で大きな変化が起き、先にご紹介した「1年間で取り組んだこと」では、今回のリファラル採用推進の全てを赤裸々にお話ししました。
しかし、これまでお伝えしてきた通り、リファラル採用に正解はないため、今回セーフィーで行った行動が、全ての会社で横展開出来るものではないと思います。

会社ごとの特性を活かして、色んな施策を実行していけば、結果は徐々についてくると思いますので、この記事が少しでもそのきっかけになれば嬉しいです。
また、私自身ゼロから手探りで始めたものばかりで、「もっとこんなやり方もあるよ!」や、「もっとセーフィーのリファラルの話を聞きたい!」などありましたら、是非お気軽に下記までご連絡ください!

長文になりましたが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

リファラル推進PJメンバーはこちら

井口:https://youtrust.jp/users/satie
堤:https://twitter.com/daiki_ttm1995
田村:https://twitter.com/tamuuurara


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