介護職のリーダーをはじめる人へ#2
介護職のリーダーをはじめる人へ向けてシリーズでご紹介
先日、新しく介護職のリーダーとして活躍し始める方から「リーダーになったらまずは何から始めるのが良いのか」というご相談をいただきました。
はじめてのリーダー、嬉しさもあれば不安もありますよね。
まずはじめに、この記事にご興味を持っていただいたという方は…
・介護職のリーダーをスタートする
・リーダーになるために励んでいる
・リーダーを現状任されており悩んでいる
・より良いリーダーになるために自己研鑽をしている
・介護の仕事に興味がある
そのような方ではないでしょうか。
「リーダー」という貴重な機会を活かすことで、仕事の面でも自分自身の人間性の面でも大きく成長することができるとともに、これから働いていくうえでの貴重な経験(財産)となります。
逆に何も考えずに成り行きにまかせてなんとなく始めたり、リーダーを担うことを”嫌々”という思いのままで進んでいくと、せっかくの機会(チャンス)を無駄にしてしまいかねません。
この機会をどのように受け止めて準備し取り組んでいくかは、非常に大事なことなんです。
せっかくのチャンスを無駄にしないためにも、自分の未来に投資する意味でも、前向きに楽しく日々学んでいくことが重要です。
この貴重な一つの経験を大いに楽しんでいただきたいという気持ちと、より充実した仕事と将来を創り上げていってもらえたらという応援の気持ちも込めて今回の記事(シリーズ)を投稿していきます。
とはいえ…
すべてを一度にご紹介していくと文章量が多くなり過ぎてしまうので、シリーズ(続きもの)として、1記事3項目ずつに分けて投稿していきたいと思います。
今回は「介護職のリーダーをはじめる人へ♯2」と題して、介護職のリーダーとして活躍していくにあたってすべきことをご紹介したいと思います。
簡単な自己紹介
医療福祉業界に20年近く携わっており、現在は主に介護職の人事での採用活動や面接官、人材育成、介護保険事業所(6事業所)の運営に関わっています。
私自身、キャリアのスタートは無資格の介護職でした。
現在は6事業所(職員数約350名程)の管理者として日々業務にあたっており、人材育成や人事の仕事も行っています。
その中での経験や、現在担っているリーダー人材育成の研修で伝達している内容なども踏まえてご紹介できたらと思います。
一記事、約5分~10分程度(3項目の本文は3000文字)で読み終わる内容を目安にご紹介していきます。
これから介護職・介護福祉士のリーダーとして活躍する方、介護職・介護福祉士の仕事にご興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
この記事を読んだあと、おもしろかった、役に立ったと思っていただけましたら、フォローボタン・スキを押していただければと思います。
介護職の基本姿勢についてご紹介した記事
今回の、介護職のリーダーをはじめる人へというシリーズの前に【介護職をスタートをする方へ】というシリーズで全10記事をご紹介しています。
リーダーとして若手人材の育成にも使える内容となっておりますので、まだご覧になっていない方で、ご興味のある方は下記からご参照ください。
積み重ねが後の未来(キャリア)に繋がる力となっていきます。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓リンク↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
介護職員として身につけるべき知識と心構え【介護の基本編】|sabukurocha【医療福祉人材キャリアコーチ/人事/採用】|note
前回ご紹介した内容(#1の振り返り)
前回は…
➀挨拶➁笑顔➂メモを取る
という内容でご紹介しました。
リーダーとしてや対人援助に関するテクニックや思考方法を知る・覚えるといったことも勿論大切ですが、まずは働くうえでの基本となるものやコミュニケーションの基本技術となる「自分の立ち振る舞い」をおさえることが大切です。
介護に限らず他の専門職も同じですが、専門職と言えど働くことの基本として求められることの多くは、他の業界等とそこまで大きな差はありません。
そしてリーダーというポジションに求められる基本的な内容はほぼ同じなんです。
その中でも人と接するうえでの基本となる挨拶や笑顔「立ち振る舞い」に関する内容について取り上げました。
まだご覧になっていない方で、ご興味のある方は下記からご参照ください↓
今回は【♯2】となりますがその前に…
リーダーをはじめられてすぐの方でも、長年リーダーを担っている方でも基本的には日々努力を積み重ねてレベルアップしていくものです。
瞬間的にうまくいったとしても、土台がしっかりとしていなければ継続的に成果を出し続けることはできません。
チームは生き物であり日々変化するからです。
だからこそ、しっかりと基本を押さえて日々の変化に対応できるように基礎を固めていきましょう。
介護職のリーダーをはじめる人へ♯2(目次)
リーダーとして働くうえでの基本について介護業界ならではの視点でご紹介いたします。
①利用者様の特徴や変化を把握する
利用者様の名前を覚えるということは介護職としての基本ですが、リーダーになると、名前に加えて利用者様の特徴を把握しておかなければなりません。
利用者様の特徴を把握していなければ、チームがどのようなケアを実践していくのかがわからず、とるべきリーダーシップが判断できなくなってしまいます。
リーダーが利用者様の状態を把握できていないようであれば、利用者様やチームメンバーに対して不安や不信感を与えかねないばかりか、利用者様とチームを危険にさらしてしまうことにも繋がります。
介護は利用者様の大切な命をお預かりし、人生をサポートする仕事です。
生活上での困りごと、生活する中でサポートが必要な動作、服用する薬等、様々なケアが利用者様それぞれに違い、だからこそ必要なケアは日々変化します。
その変化に対して、チームのメンバーは対応しているんです。
だからこそ、リーダーシップをとるリーダー自身が利用者様の特徴や変化を把握することはケアの質とチームの動向について把握することに繫がる、重要なことなんです。
「リーダーは利用者様のことを全然わかっていない…」このような状況ではチームのメンバーも不安や不信を抱きまねません。
リーダーを担う上で重要である【信頼】が持てない状態になってしまいます。
とはいえ、リーダーになると多くの利用者様のことや業務の流れ、日々のイレギュラーなど、把握することが多くなります。
単純に暗記するという努力では個人の能力差もあり、とても大変になってしまいますよね。
そんな時におすすめなのが…
メンバーとの対話です。
もちろん、自分自身で調べることも大切ですが、利用者様の特徴や変化は対応してケアを実施している担当のメンバーが一番良く知っています。
だからこそチームのメンバーと積極的に対話をして、利用者様の特徴や変化を把握していきましょう。
チームのメンバーが把握できていない場合には、もう少し特徴や変化の把握に努めるように依頼したり、不明な点をメンバーと一緒に調べたりなど協働することにより、自分自身もメンバー自身のスキルアップにもつながります。
このやりとりがチームのメンバーからの信頼、利用者様からの信頼にも繋がるんです。
➁職員の特徴(長所や短所・目標)を把握する
リーダーを担当するにあたり、職員の特徴(長所・短所・目標)を覚えることは重要です。
その理由はシンプルで、チームとの関係性構築をスムーズにしてより良いケアを行うためであり、チームの成長を支えるためです。
例えば、コミュニケーションが苦手で自分の感情コントロールにあまり長けていないメンバーに対して、感情が高ぶっている利用者様の対応を任せるとどうなるでしょうか…
メンバーは感情的になってしまいコミュニケーションに対して苦手意識が更に強くなってしまう
利用者様も自分の思いを聴いてもらうどころか更に腹が立ってしまいケアに対して不信感を持つ、または悲しい気持ちなる…
そんなことになりかねません。
これが職員の特徴を把握出来ているうえで、メンバー自身が成長を望み、あえてレベルアップのチャレンジとして対応を任せるのと(それでも事前の準備は必要ですが…)、何も把握できていない中で安易に任せるのとでは全く違いますよね。
このように、ケアの質にもメンバーの成長にも、職員の特徴を知っているかいないかでは大きく関わってくるんです。
リーダーとしての采配や判断にも大きく影響します。
また、メンバーからの信頼というところでも大きく影響します。
自分が得意なことや苦手なこと、今抱えている課題や今後の目標などを知ってくれている人と何もわかってくれていない人、自分ならどちらを信頼するでしょうか…
もちろん、自分のことをわかってくれている人ですよね。
職員の特徴(長所や短所・目標)を把握するというのは非常に大切なことなんです。
逆にこのことを把握していない中でリーダーシップをとるのは、非常に難しいだけでなく単なる作業的なリーダーシップになってしまいます。
とは言え、職員の特徴を把握するのもとても大変なことです。
職員もそれぞれにその日のコンディションや思いなどもあり、日々変化するものだからです。
そんな時におすすめなのが、やはり「対話」です。
これも暗記するというような単純なものでは能力差が出てしまい、得手不得手があると思います。
暗記などではなく、日々メンバーとの対話を大切にしていくことで職員の特徴(長所や短所・目標)を把握することに繫がっていきます。
優秀なリーダーほど、メンバーとの対話が多いという結果もあるほどです。
確かに私自身が管理している事業所、そして今までの経験を振り返ると、リーダーが対話を積極的に行なっているチームは職員満足度も比較的高く、成果としても上がっていました。
③報連相をより意識する
リーダーになると報連相をより意識することが大切です。
リーダーとしての能力は報連相の頻度と質と比例するといっても過言ではないのではないかと私は思います。
リーダーになると「自分で判断しなければならない」という思いを持ってしまい、報連相の頻度が極端に減ってしまう方もいますが、報連相の意識をより大切にしなければなりません。
何かを決めるチームへの相談、チームからお願いされたことに対しての結果の連絡、必要事項の連絡、自分の上司への細かな報告と実施する内容に対しての相談など…これらのことを密に行っていくからこそ、リーダーとしての信頼が強まります。
また、何かを決定する際には「自分が判断できる能力があるかどうか(自分の成果であるかどうか)」ということよりも、チームとして、仕事として最善の結果が出せたのかということにこだわることが重要です。
そのため「自分で判断しなければ…」というよりもチームや組織に報連相を行いながら最適解を探していく姿勢が大事なんです。
とはいえ、はじめのうちは何を報連相すればいいのかわからない…という悩みを持つ人も多くいます。
そんな時は、時間を決めて報連相の頻度を保つようにしてみましょう。
また、はじめのうちはどのようなことでも報連相をしていくようにすることで、報連相した相手がこれは必要、これは不要などを教えてくれるようになります。
職場によって取り決めを行っている場合は、その内容に目を通し上司や先輩にあらかじめ相談や質問をしておくことも有効です。
リーダーを担うからこそ、報連相を強く意識して大切にするようにしましょう。
報連相はチームの繋がりと信頼やチーム力を高め、自分自身のレベルアップにも繋がります。
介護職・介護福祉士としてレベルアップが現状を変える(継続は力なり)
いかがでしたでしょうか。
今回は♯2として…
①利用者様の特徴や変化を把握する
➁職員の特徴(長所や短所・目標)を把握する
③報連相をより意識する
3つをご紹介いたしました。
どれもチームと共に成長していくうえで重要な内容です。
前回同様、チームリーダーとしての立ち振る舞いと言える内容でご紹介しました。
先にもご紹介しましたが、特別なテクニックももちろん重要ではありますが、何よりもまずは土台となる基本を押さえることが大切です。
介護のリーダーは、チームのメンバー、利用者様の思いや生活の中での変化、家族様の思いや事業の状態などたくさんの変化するものを相手にしていかなければなりません。
だからこそ柔軟性が大切であり、柔軟性を持つためには基本を積み重ねることが重要なんです。
介護は大変な仕事であるということが良く言われているように、確かに大変な仕事ではありますが、専門職としての知識や技術や経験を積み重ねていくことで、仕事の効率や生産性は上げていくことができます。
一朝一夕にはいかないものではりますが、努力や工夫により現場や自分は変えられるんです。
リーダーとなった自分自身がバージョンアップしていくことで、共に働くチームメイトもバージョンアップしていく可能性があります。
そうすれば、より良いケア・チームを作れる可能性は上がるんです。
しかし、リーダーである自分自身がバージョンアップしていない場合はどうでしょうか?
周りのチームメイトはリーダーを頼りにしているのにも関わらず、リーダーがバージョンアップしていない…そのような状態ではチームが衰退していく可能性は高まるのではないでしょうか(反面教師という言葉もありますが…)
自分自身がどのようなケア・現場・チームを作りたいと思っているか、そこを目指して何をするのかを考えて実践を積むことが重要です。
一つずつステップアップしていくことで、介護職としての成長は勿論、自分自身の将来に繋がっていきます。
このプロセスの中で介護職としてのやりがいに必ず出会うことができます。
私は介護職・介護福祉士の仕事は誇りある仕事だと思っています。
介護の仕事をしている
介護職・介護福祉士としてキャリアアップを目指している
介護に悩んだり不安になっている
そんな方々の少しでも力になれたらと思い、今後も投稿いたします。
よければ、今後ともよろしくお願いします。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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ソルトさん、素敵な画像をありがとうございます。
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医療福祉業界に20年近く在籍する中で、患者様や利用者様、家族から学ばせていただいた「人生をより良いものをにするために必要なこと」についてご紹介しています。
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