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企画のおもしろさは「角度」で決まる

私は現在、書籍編集者と一緒に出版企画書をつくるサービスを提供しています(詳しくはこちら)。

このサービスを通じていろいろな方とお話ししていると、私の口から「それ、おもしろいですね!」というセリフが思わず出てくる瞬間があることに気づきました。

改めて、どんなときに私が「おもしろい!」と感じたのかを振り返ってみようと思います。


「王道だからダメ」ではない

本の企画として最初に思いつくものって、王道のテーマであることが多いです。

すでにたくさんの本が出ているテーマで、名著もザックザクある。

競合が多くて埋もれやすいというデメリットはありますが、王道テーマであること自体は決して悪いことではありません。

なぜなら、「そのテーマに興味を持つ人がたくさんいる」ことが最初からわかっているから。ターゲット層が厚いということですね。

ただ、売れている本を薄めた二番煎じの本をつくっても、あまり意味がないですよね。

書店で売れている名作と同じ棚に並んだり、Kindleで同じカテゴリーに割り振られたりするけれど、確実に「あの本とは違う」とわかる「何か」をまとう必要がある。

そのテーマをどの角度から切るか?

企画を考えるとき、「切り口」という言葉をよく使います。

メインテーマを今までにない角度から切って、見たこともない「切り口」が見えたとき、私は「おもしろい!」という言葉を発している気がします。

たとえば、メインテーマを「大根」としてイメージしてみてください。

テーマが大根なのではなくて、メインテーマそのものを「大根の姿」でイメージする感じです(伝わるでしょうか)。

まな板の上にある大根(メインテーマ)を今までにない角度から包丁で切り落としてみる(「今までにない角度なんてあるのか?」はさておき)。

すると、大根の側面が今まで見たことのない「切り口」になりますよね。

「こんな切り口の大根、見たことないわー!」

そう感じたときに、私は「おもしろい!」と思う。そんな感じです(笑)。

つまり、

「今までにない角度で、そのテーマを切る」
「今まで見たことがない切り口を世の中に提示する」

これができそうな企画だなと思ったとき、「おもしろい!」が口をついて出てくるのだと思います。

大根(メインテーマ)を、あなたはどこから、どういう角度で眺めていますか?

そこにあなたならではの独自性があると、強い!

視座の解像度を高め、あえて角度をずらす

でも、大根をどの場所からどう眺めているかって、意外と自分ではわからないものですよね。

今のあなたと同じ「視座」(大根を眺めるために座っている場所)から、同じように大根を眺めている人がすでにたくさんいることもあります。

それがわかったら、今のあなたの「視座」の解像度を高めてみる。

すると、ある点において他にはない独自性が見つかることもあるはずです。

それがわかったら、その独自性がより生きるように企画を練ればいい。

あるいは、今の視座から戦略的に角度をずらしていくことを考えてもいいかもしれません。

角度をずらした新たな「視座」から大根を語るには、あなた自身の実績(数字で表現できるもの)をもっと積み重ねる必要性が見えてくることもあるでしょう。

たとえば、大根(メインテーマ)が「ダイエット」だったら、「食事」「運動」から切っている本はすでに山ほどあります。

その場合、「運動」の解像度を上げて角度をずらしてみたり(オリジナルのエクササイズとか)。

もしくは、「食事」でも「運動」でもない別の角度から大根を切ってみたり(性格、職業とか!? ←あくまで例です)。

その視座から大根を語るには、私には◯◯が足りないなーと思ったら、コツコツ◯◯を積み上げていく。そんなイメージです。

うっかり「大根」という言葉を便利に使いすぎた気もしますが、少しでもわかりやすくお伝えできていたらうれしいです。

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