小さなみかん「ゆら早生」を食べたら芥川龍之介の「蜜柑」を思い出した。
土日に食べ過ぎてしまい朝から少し長めのウォーキングをしてきました。丁度みかんを食べきったところだったので、直売所まで行ってみかんを買うついでに。
直売所へ向かう途中、どんぐりはどうなったかな?と思いまして。
地面に落ちてしまって帽子だけが残っている子もちらほら。初めてどんぐりを見つけた日からもうすぐ2ヶ月経つんですね。
どんぐりチェックを済ませてから直売所へ。直売所でみかんを買うのは初めてでしたがどうしてもみかん食べたかったので買ってみました。
この子たちはゆら早生という品種。大きさがばらばらだなぁと思っていたらゆら早生は小ぶりサイズという特徴があるようです。
1985年に和歌山県由良町で生まれたゆら早生。宮川早生という品種の枝変わりとして発見され、1995年に品種登録されました。
「由良町」で発見されたことと宮川早生の枝変わりとして発見されたことが名前の由来となっています。
ひとつ食べてみると酸味は強くなくとても甘かったです。酸っぱいみかんが苦手という方におすすめ。小さいのでお弁当のデザートにもぴったりです。
みかんを食べていたらふと芥川龍之介の「蜜柑」を思い出しました。確かこのお話の季節も冬だったなぁと。
芥川龍之介は数多くの短編小説を執筆されていますが、「蜜柑」はわたしのなかで好きな作品として心に残っています。
「蜜柑」は少女の行動によって鬱々としていた主人公の心が移り変わる様子が描かれたお話です。
〈ある曇った冬の夕暮れ〉という暗い色彩から始まりますが、作中に出てくる暖かな色彩と奉公先へと向かう少女の行動によって明るい結末へと向かう。
短い作品ですがひとつひとつの描写が巧みで、蜜柑が出てくる場面は特に印象的でした。
芥川龍之介といえば「羅生門」や「地獄変」のイメージしかなかったので、初めて「蜜柑」を読んだときには芥川龍之介ってこういう作品もあるんだ……と感動したことを覚えています。
数年前に出版された乙女の本棚シリーズの「蜜柑」もおすすめです。イラストレーターのげみさんの美しいイラストで「蜜柑」が表現されています。(げみさん好きです)
乙女の本棚は小説としても画集としても楽しむことが出来るというのが斬新ですよね。
芥川龍之介の「蜜柑」に出てくる蜜柑は5個か6個。ゆら早生のように小ぶりな蜜柑だったのかな、とか少女はどんな気持ちで蜜柑を投げたのかな、とか……甘くて美味しいみかんを食べながらそんなことを考えました。