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クラファンについて思いの丈をぶつける
クラウドファンディングについて、我々(主に代表の、というより代表個人の見解)の思うところを余すことなく述べたいと思います。
1.クラウドファンディングに踏み切るまでの経緯
大倉書房が結成された当初は、クラウドファンディング(我々は略してクラファンと言っています)の「ク」の字も出ませんでした。まったく考えていない事だったのです。
クラファンの話を持ち出してきたのは、小間使いA。友人にクラファン経験者がいたのだとか。そしてなんと、小間使いAのフランス語の先生もクラファン経験者だったのです。
俺としては、多少なりとも資金に余裕が出てきてくれるのはとても有難いことでした。最初は、かなり楽観的に、好意的にクラファンを受け入れていました。
小間使いAも、俺の負担を減らそうとしての提案でした。というのも、当初は、『終の一語』、『慟哭』といった本の制作費は全額俺が負担する予定だったのです。なんなら文学フリマの出店費も全部出す心積もりでした。言ってしまえば、小間使い2人を俺のわがままに付き合わせてしまっているので、なるべく負担をかけないようにという俺なりの配慮でした。そういう優しく見える理由の他に、実はよっぽどわがままな理由も持ち合わせていました。「自分で」「自分の」作りたい本が作りたい。要するに、自分の金で自分の作りたい本作るんだからいいだろ?ということです。うわー、最低な奴ですね。そしてそれを感じ取ったであろう小間使いたち。このままでは俺が貯金の全額をつぎ込み、つぎ込み……手に負えないものとなることを予期したのでしょう。そして、「そういう活動の仕方をしていたら今回限りで終わってしまうから嫌だ」と言われました。疲れていると途端に金遣いが荒くなる俺。ほんと、反省しています。あの時はやはり疲れていたんだと思います。その疲労状態から回復すると、自分の発言に赤面します。
そんな経緯を経て、冷静になった俺はAからクラウドファンディングについての説明を受けます。ナルホドナルホド、として、そして好意的に受け入れるのです。が……(この続きは2の方で)
つまり、我々がクラファンに乗り出したのは、金銭的な理由でした。こういってしまうと元も子もありませんが、本当に金銭的な理由でした。夢を叶える上での現実的な壁に額をぶつけたから、その壁をどうやって乗り越えるか――。それを考えた結果だったのです。
しかし、ただ資金を確保できればいいというような投げやりな気持ちではありません。本気でクラウドファンディングに向き合っています。
このページも相当の時間をつぎ込みました。公開するまでに1カ月はかかっています。クラファンの担当者の方も丁寧に我々のページをチェックしてくださいました。この場を借りて感謝申し上げます。
2.クラウドファンディングをやることへの迷い
実はクラファンを始めてからも、迷いを抱えていました。(※代表の一個人の感想です。)活動されている同人の方々を見ると、クラファンやってしまってよかったのかとモヤモヤした気持ちがよぎります。
文フリに行く前の俺は、まだ楽観的にクラファンを捉えていました。しかし、文フリでの皆さんのご活躍を見て、そして文フリの直後に起きた我々の一悶着もあってか、クラファンをやる意義を見失ってしまいました。
文フリは、とても楽しかったです。幸せな空間でした。俺は、実は一人でふらふらとしていたので小間使いたちとは別行動をしていました。帰り際に合流し、大倉書房のことを覚えてくださっていた方が多くいらっしゃったことを聞き及びました。お話なども聞かせていただいたようで、この場を借りて御礼申し上げます。
だからこそ、俺はクラファンに疑問を感じてしまったのです。
自分たちの甘えのようなものをくっきりと突き付けられた気がしました。
そして、その後の一悶着です。俺が元来協調性とは無縁な性質を持っていること、協働する相手の仕事が遅いとイライラしたり俺がやった方が早いし上手いなどと高慢な考え方をしてしまいがちなこともあって、代表と小間使いたちの向いている方向が別々になってしまったのです。俺はもうこのまま独りになった方がいいんじゃないかと思いました。その延長線上で、クラファンの存在に疑問が生じます。何故なら、俺一人で大倉書房をやっていたらクラファンなんてやろうと思わなかったから。それに俺はもとから制作費を全て自分で出すつもりだったから。
小間使いAに言われたからクラファンするのか?
そもそも、同人活動は自分のお金でやっていくもの。自分の生活を切り詰めて制作費を出すということは同人をされている皆さんなら分かると思います。そして多くの皆さんがそうやって同人活動をされている筈です。だから自分の進学費用(使おうと思っていた/思っている貯金は進学のために貯めたものでした)云々と言っている時点でなんかなぁーと。俺ってかっこ悪いなぁ。なんだかなぁ……。
3.クラウドファンディングをやることの意味を考えてみた
クラウドファンディングをやる意味ってなんでしょう?
意味というか、意義は、お金を集めることです。
それは分かっています。でも、そういう事じゃないですよね。
我々の夢に出資してもらう、という事なのですが、この夢にそんな大層な価値があるのだろうか? あの本にそんな価値があるんだろうか? いくら自分が考えたって、答えは出ません。そして他人の視線が気になってしまうのです。そんなに利益を出したいの?と直接言われもしました。断じて利益を出そうと思ってやっているのではありません。しかし、自分の夢にお金を出してくださいだなんて、「いい気なもんだな」というようなことを思われても仕方ありません。いや、仕方ないと諦めてしまうのも何かが違う……。反論しても、相手にはどうやら伝わっていない……。
俺は、足りない頭でクラウドファンディングをやる正当な理由を考えていました。
そもそも、俺は明治の同人活動に憧れていたのです。そして、詩人が自分たちで本を出版する仕組みを作っていたことに憧憬を抱きました。迷った時には一旦自分の原点に返ろうという信条の下、憧れの文学者たちの間を歩き回ります。
と、なった時に、俺はある一つの事実に気付いてしまうのです。
同人誌と言ったって、自費出版だと言ったって、借金してたよな。
ひどい、もう本当にひどい理由です。借金するよりましじゃないか、などと阿呆な理屈をひねり出します。
いやいやいやいや待て待て待て。待て! 代表がこれでは大倉書房は終わる。俺は慌ててこの不埒な考えを破り捨てます。
次に、迷った時に聴くヒップホップとレゲエのプレイリストをかけました。
俺は一体何を迷っていたのだろう。
結局のところ、叩かれるのが怖いから、尻込みしていただけだったのでした。
覚悟を決めました。
我々が本気で文学と格闘していることを理解し、快く応援してくださる人に届けばいいではないか。
尻込みしてしまうのは、人の噂話や陰口が気になってしまう俺の悪い癖だと思います。他人がどう思うかをまず考えてしまう。だから迷う。
いや、そもそも。迷う必要がどこにある?
何も、いけないことをしているのではない。本気で、この本に賭けてる。本気だから、クラファンをする。この本気を、俺が信じなくて誰が信じるのか。
4.クラウドファンディングを始めてみてよかったこと
まだクラウドファンディングが終了したわけではありませんが、すこしばかり振り返ってみようと思います。
確かに、クラファンは同人即売会という現場でのやり取りとは違うけど、まったく我々のことを知らない人が支援してくれたりと、かなり即売会の雰囲気に近いものがあるのではないかと思いました。
たまたま我々のことを見つけ、応援してくださった方にとても感謝しています。飛び上がるほど嬉しかったです。自分の思いが、誰かに届く瞬間というのはえも言われぬ幸福感があります。
そして、見ず知らずの我々の思いを受け取り、応援してくださる方がいるんだと知れたことがクラファン始めてよかったなあと思う瞬間です。Twitterでも、我々のツイートを拡散してくださった方がたくさんいました。本当に嬉しかったですし、我々は独りではないと思えました。
クラファンを始めてから涙脆くなった気がします。今も泣きそうです。
5.今後の展望
さて、クラウドファンディングの目標を達成した我々ですが、実はこれで終わりではありません。
ネクストゴールを発表いたします!!
すでにクラウドファンディングのページをご覧いただいた方はご存じかと思いますが……
作品の更なるクオリティアップのため、達成率200%をネクストゴールとして設定することにいたしました!
200%を達成したら何ができるのかと言うと、↓↓↓
![](https://assets.st-note.com/img/1655308262925-eaGfJzo5Sx.png?width=1200)
我々大倉書房が今後も活動を続けていくために、そして文学の力を証明するための機会を得られるように、どうか皆様のお力をお貸しください……! Twitterなどで拡散していただくだけでも十分ありがたいので、ぜひどなたかに共有のほどよろしくお願いいたします。