まいにち易経_0910【始まりの一歩を誤るな、未来を見据えた選択を】帰妹は人の終始なり。説びでもって動く。帰ぐところのものは妹なり。征けば凶なりとは、位当たらざればなり。[54䷵雷澤帰妹:彖伝]
彖曰。歸妹。天地之大義也。天地不交而萬物不興。歸妹人之終始也。説以動。所歸妹也。征凶。位不當也。无攸利。柔乘剛也。
ある企業の新人研修に招かれた老易学者が、
未来のリーダーを担うポストZ世代の若者たちに向かって語る
皆さん、今日は易経の『雷澤帰妹』について、その深い教えと現代的な意義をお話しします。この卦は、新しい環境への変化と期待を表現しており、人生の様々な場面に応用できる智慧を含んでいます。
『雷澤帰妹』の核心は、「始まりの重要性」です。新しいプロジェクトや人間関係を始める際、熱意は大切ですが、それだけでは不十分です。感情と理性のバランスを保ち、慎重に準備を進めることが肝心です。例えば、新入社員が熱心すぎるあまり自分の立場を忘れてしまうと、長期的な信頼関係を築くのが難しくなります。
この教えは、ビジネスの世界でも重要です。新規事業を始める際、市場のニーズをしっかり把握せず、ただ流行に乗ろうとするのは危険です。私自身、若い頃にこの過ちを犯し、多くのリソースを無駄にした経験があります。
また、この卦は「相互の立場の尊重」も教えています。チームプロジェクトでは、各メンバーの強みと弱みを理解し、適切な役割分担をすることが成功の鍵となります。これは日本の能楽のように、一人一人が自分の役割を理解し、全体の調和を図ることが大切なのです。
長期的な視点も『雷澤帰妹』の重要な教えです。
環境問題への取り組みのように、短期的には利益を生まなくても、長期的には企業の持続可能性や社会的評価に大きな影響を与える決断も必要です。
最後に、この卦は「謙虚さの重要性」を強調しています。新しいことを始めるとき、自信過剰になりがちですが、常に学ぶ姿勢を持ち続けることが大切です。
皆さん、易経の教えは何千年も前のものですが、その智慧は現代にも十分通用します。『雷澤帰妹』が教える「始まりの重要性」「感情と理性のバランス」「相互の立場の尊重」「長期的視点」「謙虚さ」は、皆さんが将来リーダーとして活躍する上で、必ず役立つものです。
これらを心に留め、賢明な判断をしていってください。皆さんの輝かしい未来に期待しています。
参考出典
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