『虚数の情緒』ときどき『がらくた雑貨店は夢宇宙』
きょうもおだやかに気持ちのいい陽気。
でも風はさむい。おなかを冷やしてしまった。。
今週から読みはじめた『虚数の情緒』。
重いし分厚い。
ページをひらくとおっかない著者の吉田先生に怒鳴られそうな緊張感がある。
なかなかページがすすまない。
ネットの時代になって、訪問者を逃さないために、やたらと読みやすさが好まれる。
行数やひらがな、カタカナがふえた。
一方で、『虚数の情緒』の冒頭で、日本語の漢字・ひらがな・カタカナこそ情報伝達によいとし、「漢字は情報圧縮の王者」と言いきってる。
こんな格言を『虚数の情緒』巻頭の「か」ぐらいで言い切っちゃってるスゴみ。
漢字が多いと読みづらい。
文字を書く機会のすくない大人にとって、そもそも忘れてたりする。
が、Twitterをみても、発祥の地アメリカでの140字とくらべて、日本語の140字は圧倒的に情報量が多い。
これ、中国語になったら、情報量でいえばそれこそ王者じゃなかろうか。
ということで、ネットをひらけば、行間や余白多めで、読みやすい上等なんだけど、いい感じのバランスで漢字も織り交ぜていきたい。
『虚数の情緒』はまだページ数もふられていない巻頭からドンピシャな正論がズバッとかかれていて、先にすすまないワリに頭にひっかかる情報量が多い。
ので、つかれた頭に『がらくた雑貨店は夢宇宙』をよむ。
「雑貨」をはじめて全国にひろめた長谷川義太郎著の、80sの作品。
「物販、ブッパン!何と素晴らしく直接的な方法だろう」(p19)
直接買いつけて、仕入れて、商品を売る。
一連の流れがいかにオモロイかがギッシリ一冊につまってる。
あれもこれもネットで匿名で買える現在からみて、1アクションごとに交わされるコミュニケーションが多い。
ので、『がらくた雑貨店は夢宇宙』は、語り口は滑らかなんだけど、コミュニケーション多めで疲れてくる。
そして『虚数の情緒』の著者、吉田先生が恋しくなる。
ことなるジャンルの2冊だけど、意外と相性がよい。
1980年代の買いつけワールドと2000年の「吉田塾」を行ったり来たりしてる。