
ぎっくり腰は、腰に原因がないこともある。
先日、ぎっくり腰で歩けないという人から電話がありました。私は出張整体もしていますので、お家へ出かけました。
玄関に出てこられた時は、まっすぐ立てなくて体を歪めた状態でした。どんな仕草でなったのか、どんな痛みなのか、いつからなのか、いろいろまず聞きました。
私はハムストリングスと足首を施術しました。腰や背中にまったく手を触れていません。
「ゆっくり立ってみてください」
あれっ?
立てる!
腰が痛くない!
あれっ?
なんで?
私は整体師です。医師免許も柔道整復師の免許も持っていませんから、治療はできません。しかしこのように患部に触らず、もし腰痛が改善したとしたら、それは医療的治療ではありません。私は筋肉をほぐしてあげただけに過ぎません。
「もう少し動いてみてください」
「え~!? なんともないんですけどー!」
「良かったですね」
「ふしぎ~!」
こんな風にうまく行くケースは稀です。私はゴッドハンドではありませんので、たまたまうまくいっただけです。いつもこうなるとは限りません。
整形外科へ行っていたとしたら、まずレントゲンを撮って、もしかしたらCT画像撮って、湿布薬処方されて、コルセット買って帰ることでしょう。それで何日過ごさなければならないのか分かりません。一週間?10日?分かりませんが、健康保険で3割負担としても、2万円くらいかかるでしょう。
整骨院へ行って行っていたらどうでしょう。電気当てて、ホットパック当てて、健康保険3割負担で1000円くらいでしょうか。一回で済みませんよね。10日くらい通わなければなりませんでしょうか?手間かかりますよね。市販のコルセットをおそらく買うでしょう。こちらも合計で2万円くらいかかると思います。
身体は一つです。筋肉は一つで成り立っているわけではありません。必ずどこかと連携していて、引っ張り合っています。痛みや違和感のある筋肉に問題があるとは限りません。痛みのある個所ではないところに問題があるとしたら、そこを改善する必要があります。
腰が痛いからといって、腰に原因があるとは限りません。
病院へ行くと痛みのある個所しか診てくれません。最近では触診することもなく、患者の顔を見ることも少なくなっています。電子カルテになってから先生は画面ばかり見て、患者の方を向いてくれなくなりました。
「手当て」という言葉が近代医療には無くなったと思うのは、私だけでしょうか? 手を当てて患者に寄り添ってくれる医療を期待したいものです。
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