ストレッチと筋トレはまったく違う
ストレッチと筋トレを混同される人が多いです。とくに高齢者はどちらも同じ運動だとお考えのようです。
ストレッチは、筋肉を伸ばす。
筋トレは、筋肉を鍛える。
文字にすれば簡単にわかるようなことですが、体への反応、刺激の違いを感じるのは難しいようです。
先日来院された方の背中から腰が鉄板のようにパンパンに張っていました。聞くと、最近になって、筋トレを始めたそうです。しかし腰が張っていることに本人は気付いてられません。実はこのような間違いをされる人がとても多いので、今日は警告としてお伝えしたいと思います。
最初に、ストレッチと筋トレの違いを書きました。この人に今必要なのは、筋トレではなくストレッチです。いや、多くの人にも同じことが言えると思います。
筋肉というのは日頃から縮もう縮もうとする性質があります。これは防ぎようがありません。だから日常的にストレッチをして伸ばしてほしいのですが、伸ばすことをせずに筋トレをすると悪循環にハマります。
日常の生活で、すでに筋肉が縮んでいる
↓
筋トレをする
↓
さらに筋肉が縮む
↓
筋肉がさらに硬くなる
正しいやり方は、
日常の生活で、すでに筋肉が縮んでいる
↓
縮んでいる筋肉をストレッチで伸ばす
↓
筋トレをする
↓
筋肉が鍛えられる
縮んだ筋肉に対して筋トレをすると更に縮みますので、筋肉が強くなるどころか、縮んでますます硬くなっていきます。日常生活で縮んでいる筋肉をまずストレッチして伸ばしてから、筋トレしないと逆効果となるわけです。
力を入れると筋肉が硬くなる
試しにグッと握りしめてください。腕が瞬間的に硬くなったでしょう。それが筋肉が縮んだ状態です。手を広げると腕の筋肉が柔らかい状態に戻りますよね。これはとても分かり易い筋肉で試してみました。背中や腰にグッと力を入れてみてくださいと言われても、瞬間的には難しいでしょう。そういう筋肉なんです。部位によって特性が違います。
肩こりの人、多いですよね。肩を自分で触ってみてください。硬くなっていますか? なってないという人の方がきっと多いことでしょう。これもまた自分では気付かない部位です。人の肩を触ってみてください。パンパンに張ってますから。これは何も力を入れていない状態で硬くなってるということです。その状態から筋トレすれば、さらに硬くなるということを、今日は知っておいていただきたいです。
筋トレは必要ない
ストレッチはとにかく体に良いです。これは間違いありません。野球のイチロー選手が「筋トレは必要ない」と現役時代に言われていました。私も同感です。ストレッチをして筋肉を柔らかい状態で保つことができれば、関節の可動域が失われることがありません。背骨に負担がかかることもありません。
脊柱管狭窄症やヘルニアでお困りの人も多いことと思います。病院へ行くと、骨や神経の病気のように扱われます。それは病院だから仕方がないのです。しかし、そうなっていくには理由があったのです。
周辺の筋肉が硬くなっていたから
筋肉が硬くなると、骨の動きが悪くなります。可動域が狭くなり、骨の動きが制限されてしまいます。だから神経を圧迫するし、骨が動きにくくなるのです。手術をするより、まず筋肉を柔らかくすることをお勧めします。
背骨に負担のかかった状態が長く続くと、腰が動きにくくなり、そうなると体全体の動きも悪くなります。「身体が硬くなった」と感じたなら要注意です。昔から硬いのが当たり前のように言う人もありますが、そんな人は近い将来、大変なことになりますよ。
歳取って背中やお腹の筋肉が弱くなると、背骨を支える力が弱くなります。背骨が曲がっていく「側弯症(そくわんしょう)になる人もいます。弱ってきた筋肉を鍛えましょうと言われて、筋トレをすると、これが大きな間違いです。
歳取ったら筋トレをするのではなく、まずストレッチをするのが正解です。そんなことは病院では教えてくれません。悲しいけど、それが現実です。病院は対処療法ですし、痛みのある個所しか診てくれません。私の整体院に右の膝が痛いと訴えてこられた人は、ほとんど左足が悪いです。だから私は左足の施術も行います。しかし病院では、右と言ったら右しか治療しません。それが病院という所です。この話は次回に詳しく。
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