読書感想文 『姑獲鳥の夏』
【姑獲鳥の夏】
京極夏彦さんのデビュー作
百鬼夜行シリーズ第一作
その分厚さとタイトルの禍々しさからなかなか読み始められなかった作品。
読み始めたら想定外に読むスピードが落ちず驚いた。
憑き物というジャンルの得体の知れなさと、京極堂と関口らの掛け合いが面白く全く飽きを感じさせない。キャラクター性と物語の濃さ、厚さでグイグイ読み続けられる。
ミステリ要素と呪い要素とが各所に散りばめられ、まだまだ序盤でこんなに展開進んでいいの?と思ったら実はまだ真相の表層に辿り着いただけだった、みたいなこれまでの読書体験にはない何層にもなる面白さが詰まっている作品だった。
ただし、物語の結末としてはとても悲劇的でやるせない読後感も押し寄せる。
憑き物を落とすことの代償は軽微ではない。
続編を読む時はそれなりに心の準備をしてから読むようにしよう。
まだ京極夏彦作品に触れていない方がいるなら、この本の見た目のインパクトに慄いている場合ではない。読み始めてしまえば、出てくるキャラクターと京極夏彦さんの筆致が読了まで後押ししてくれること間違いなし。
とは言え、続編ではさらに鈍器本と化した作品が待ち構えているので、勧めている私もいつ読もうか悩んでいることは極秘。。。
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