読書感想文 『キラキラ共和国』
【キラキラ共和国】
ツバキ文具店の続編
今回は、あのぽっぽちゃんがミツローさんと結婚して、QPちゃんのお母さんとして、人生の新たな一歩を踏み出した一冊。
ぽっぽちゃんの書く代筆の手紙は、依頼主の要望に沿ったうえで相手を思いやる文面で相変わらずぽっぽちゃんの人間性をよく写していた。
ぽっぽちゃんが結婚報告の手紙を作成する場面がある。
紙飛行機を折って送るようにするのだけれど、(素敵な結婚報告だと思う)その時の表現で『〜家族三人の船出だ。』と書かれている。この紙飛行機は果たして航空便だろうか、船便だろうか。どうでもよいことをふと考えてしまった。
この小説の映えポイントだと勝手に思っているのは、ぽっぽちゃんが書いた手紙のページでは他のページには描いてあるパラパラ漫画の鳩やページ数の表記が無く、ただ手紙だけがシンプルにあるというところだと思う。本当に『すぅ〜っと』、と表現したくなるように、手紙の文面に吸い込まれていくような感覚になる。これが心地よい。分かる人には分かるはず。。。
ぽっぽちゃんがミツローさん、QPちゃんと新たな家庭を築く過程を見守っていると、少しずつ関係を構築しながらも、ちょっとした意見の違いで関係が崩れる場面があった。これは、相手に宛てた手紙を積み重ね、思いを積み上げてはバランスを崩してやり直し、また前よりも高く積み重ねていく工程ようなイメージを思い描いた。これを繰り返していけばより良い関係性のバランスを見つけて、どんどん積み上げていけるようになるんだろうな。
余談
この一冊はブックオフで買ったのだけれど、多くの個所でページの下辺が繋がっていた。剥がせば読めるし、剥がす時の音や感触は心地よくて好きなんだけれど、なんとなくもったいなくて剥がしたくなかった。この一冊をブックオフに出した前の読者は、どうやって繋がっているページを剥がさずに読んだのだろう。もし良い方法があるなら是非とも教えを乞いたいものだ。
ぽっぽちゃんたちの物語はさらに『椿ノ恋文』へ続く
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